研究課題/領域番号 |
19K13181
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
神原 利宗 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (90724120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 言語情報と感覚情報の連合 / 指示対象 / 感覚間協応 / 連合学習 / 象徴 / 二重符号化理論 / 身体性 / 身体知 / 連合 / 恣意性 / 多感覚 / 言語心理学 / 触覚情報 / 味覚情報 / 語と感覚情報の連合 / 新奇語 / 感覚情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,新奇語が触覚情報,嗅覚情報,味覚情報と連合する際のメカニズムを実験によって包括的に明らかにする。先行研究は,新奇語が視覚情報と連合する時の方が,聴覚情報と連合する時よりも連合の記憶成績が良いことを明らかにしてきた。一方で,新奇語が他の感覚情報である触覚情報,嗅覚情報,味覚情報と連合するメカニズムについては検証されておらず,不明瞭なままであった。本研究は,言語学,心理学等が関わる文理融合研究である点,語の意味形成の根幹となるメカニズムを明らかにできる点,に学術的独自性と創造性がある。
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研究成果の概要 |
本研究は,新奇な言語情報と感覚情報の連合機序について,実験調査により包括的に解明することを目的とした。本研究は,対面とオンラインによる実験調査によって行なわれた。本研究は次のようなことを明らかにした。第一に,言語情報に連合する感覚刺激の感覚・感情的な評価が言語情報の記憶成績と関連することを明らかにした。第二に,第二言語の言語情報と視覚情報の連合条件は,第二言語の言語情報と第一言語の意味の連合条件よりも,言語情報から指示対象を思い出す際の回答時間が速くなることを明らかにした。第三に,言語情報に含まれる母音や子音は言語情報から連想される感覚情報や感情情報に影響を与えることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,言語情報と連合した感覚情報の評価が言語情報の記憶成績と関連することや,言語情報と指示対象を連合学習する際に,言語情報と字義的定義の連合学習よりも,言語情報と指示対象となる感覚情報の連合学習の方が,言語情報から指示対象を思い出すスピードが速いこと,などを明らかにしたことによって,言語心理学における大きな理論の一つである二重符号化理論の発展に貢献できた点にある。本研究の社会的意義は,教科書や視聴覚教材を用いた教育だけでなく,視聴覚以外の感覚刺激も積極的に取り入れた体験的教育の重要性を示唆している点にある。
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