研究課題/領域番号 |
19K13216
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
椙本 顕士 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90712274)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 動詞句構造 / 軽動詞の種類 / 省略 / 同一性条件 / 移動様態動詞 / 動詞句省略 / 軽動詞 / 移動動詞 / 修飾関係 / 様態編入 / 非対格動詞 / 主要部移動 / Manner Incorporation / 使役のhave / 経験のhave / 統語的使役構文 / 照応表現の逆行束縛 / 受益者 / 動詞句削除 / 異なる文法範疇を持つ動詞句内要素の等位接続 / 使役起動交替 / 使役的心理動詞の自他交替 / 非特定的目的語交替 / 主題理論 / 機能投射 / 動詞の項交替 / 統語的同一性 |
研究開始時の研究の概要 |
動詞句の上位に機能投射vPがある分析(Chomsky1995)の登場以来、動詞の項実現や交替等、従来語彙情報であった情報を機能投射の相違から派生させようとする研究が進み、様々な種類の機能投射が提案されてきた。本研究ではこれを背景に、動詞句にはどのような機能投射がいくつ必要であるのかという問いを立てた。この問いを追求するため、削除には統語的な同一性が課せられるとするMerchant 2013を想定し、異なる交替形間の動詞句削除を調査することにより、機能投射の実在性・必要性を検討し、より妥当な主題理論とは何であるのか、また削除に課せられる統語的同一性とは何にどの程度感応的であるのかを探究している。
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研究成果の概要 |
本研究では、(i)状態変化動詞と心理動詞といった使役起動交替を示す動詞、(ii)非特定的目的語交替を示す動詞、(iii)使役・経験の意味を持つ動詞have、(iv)非対格と非能格の両用法を持つ移動様態動詞を研究対象とし、主題役割に対するconstructivist approachの下、これらの動詞類の動詞句構造を調査した。これら4つの動詞類の項交替形間の動詞句省略、擬似空所化のデータに基づき、それらの動詞句構造を提案し、どのような種類の軽動詞が必要であるのかを明らかにした。また省略に課せられる統語的同一性は、先行詞と削除部の動詞句構造が包含関係を形成する場合にも満たされることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の第1の学術的意義は、主題役割に対するアプローチとして、constructivist approachの立場を支持したことである。また第2の学術的意義は、省略に課せられる同一性条件には、Merchant (2013)で提案される統語構造上の同一性条件が必要であることを支持したことである。最後に社会的意義として、本研究での成果は、英語教育における動詞の文型の指導や省略表現の指導に役立つ可能性があることを示唆している。
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