研究課題/領域番号 |
19K13228
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 東京農業大学 (2020) 愛知工科大学 (2019) |
研究代表者 |
小林 亮一朗 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助教 (80824143)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 統辞論 / 等位構造 / 並列構造 / コピュラ文 / 寄生空所文 / 等位構造制約 / 全域的移動 / &P分析 |
研究開始時の研究の概要 |
等位接続との類似性が指摘される寄生空所文、コピュラ文、Path構文を分析し、等位構造が等位接続表現に限定されない、一般的な構造であるという仮説を検証する。寄生空所文が等位接続と似た振る舞い(全域的移動)を見せるという指摘は、古くから存在する(Williams 1990他)。しかし、等位接続表現と同様の構造を持つかどうかは意見が分かれ、未だ決着を見ない(de Vries 2017)。本研究では日英語を中心とする比較統辞論的視点から、コピュラ文とPath構文を含む他の現象にも観察を拡げ、等位接続表現との比較を通じて、これらを総合する一般的な並列構造の提案を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、3つの異なる構文(a) 等位接続表現、(b) 同定コピュラ文、(c) from-to構文の統辞的特性を調査した。これらの構文は以下の制約に従うことを主張した: [Generalized Coordinate Structure Constraints] 等位接続表現、同定コピュラ文、from-to構文では、(i)その構成要素は移動できず、(ii)その構成要素に含まれるいかなる要素も、その構成要素から移動することはできない。 さらに、(a-c)は同じ構造を共有することを提案した。具体的には、XP-YP構造を形成し、そこから対称性を破ってXPもしくはYPが移動することで派生すると主張した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本語と英語を中心とした比較統辞論研究の手法を用いて、等位接続文、(同定)コピュラ文、そしてPath構文(from-to constructions)の構造について、統一的な分析を与えた。これらの構文はこれまで、一部の研究を除き、関連付けられることは無かった。本研究課題の研究成果によれば、これらの構文の背後には、共通した「並列構造」が存在することになる。本研究課題の研究成果は、これまで研究がされてこなかった現象に新たな光をあてただけではなく、通言語的に存在する「等位構造」が、実は等位接続文以外の背後にも存在する、より一般的な構造であることを強く示唆するものである。
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