研究課題/領域番号 |
19K13450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 北海学園大学 (2020-2023) 宮崎産業経営大学 (2019) |
研究代表者 |
谷端 郷 北海学園大学, 人文学部, 講師 (70817444)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 都市水害 / 昭和戦前期 / 地域の文脈 / 尼崎 / 京都 / 水害 / 都市化 / 歴史地理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は昭和戦前期の都市化地域における水害の実態を、都市化という「地域の文脈」の中に位置づけて考察することを目的とする。災害の要因を「地域の文脈」の中に位置づけることによって、被害をもたらした要因の背景理解が可能になると考えられる。この研究により、とくに歴史地理学の立場から歴史災害研究に対して、従来取り組まれてきた復原研究に加え、「地域の文脈」モデルによる災害の背景理解を通じた新たな貢献可能性を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究ではまず、1930年代の京都市、大阪市、神戸市における都市水害の事例研究をベースに、当時の都市水害の発生原理とその要因を図式的に整理した。次に、昭和9年室戸台風で被害を受けた尼崎に関する事例研究では、尼崎市とその周辺町村の被害実態について整理し、災害によって工場地帯へと一挙に変貌を遂げたわけではなく、場所によっては農業生産を継続しようとした地域もあるなど、地域のおかれた文脈により災害対応に差異が見られることが明らかとなった。昭和戦前期京都市の都市化と水害に関する事例では、戦前から戦後にかけての水害の実態に関わる地図資料を分析し、被害の実態のより詳細な復原を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
①1930年代に経験したような大規模な都市水害への脆弱性は、誘因としての気象現象の激化や素因としての土地開発の進展により、むしろ高まっていると考えられる。今後発生するであろう想定外の「大型台風・集中豪雨」が現代の大都市で発生した際、どのような被害となるのか、1930年代の都市水害を振り返ることによって得られる教訓を、これから発生しうる都市水害への対策に向けて改めて確認しなければならない。②大規模な災害を受けた地域が、災害を受けたことによって一挙に変貌を遂げるわけではなく、その地域のおかれた地理的・歴史的文脈によって場所ごとに一応ではなく、影響は場所ごとに異なることが示唆された。
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