研究課題/領域番号 |
19K13484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 大輔 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (40436499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 懲罰的損害賠償 / 法と経済学 / アンケート調査 / サーベイ実験 / 利益吐き出し / 法意識 / 損害填補 / 抑止 / 損害賠償 / 制裁 / 必要条件 / 部分集合 / 統計分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,懲罰的損害賠償や損害賠償制度一般に対する人々の法意識の質問紙調査や,懲罰的損害賠償の人々の行動への影響の分析を行う。日本の学説では,損害賠償の目的として損害填補と制裁や抑止のうち,損害填補に限定する考え方が主流である。それに対して一般の人々は,損害賠償の目的を損害填補に限っているのか,また損害賠償の目的に対する考えと賠償額とをどのように結びつけているのかといったことの調査や分析を行う。さらに,他の国々の人々の損害賠償についての法意識との国際的な比較を行う。
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研究成果の概要 |
懲罰的損害賠償と利益吐き出し型賠償に関する研究では、法と経済学的な観点から理論分析を行い、アンケート調査も行った。この結果、被害者が被害額を大きく超えるような賠償額を受け取る制度は、一般の人々はあまり想定していないことが明らかになった。他方で、加害者が国に対して、加害者の利益額等を考慮した金銭の支払いをすることは、受け入れられやすい可能性があることがわかった。また、損害賠償の目的に関する必要条件分析の研究では、損害賠償の目的として挙げられることが多いものについて、必要条件関係の分析を行った。この結果、損害賠償の目的において、損害填補は、制裁や抑止や報復感情の満足の必要条件であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
懲罰的損害賠償をはじめとする被害者個人が自身の被害額を超えるような賠償額を受け取る制度の導入の是非を議論するにあたって、日本の一般の人々が損害賠償の目的をどのように考えているかという法意識が、根拠となる資料の一つとして必要とされている。法意識の伴わない法制度は、人々によって遵守されないおそれがあるからである。本研究では、損害賠償の目的や懲罰的損害賠償をはじめとする制度についてアンケート調査を行い、得られたデータを分析することで、この法意識を明らかにする端緒となるという学術的・社会的意義がある。
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