懲罰的損害賠償と利益吐き出し型賠償に関する研究では、法と経済学的な観点から理論分析を行い、アンケート調査も行った。この結果、被害者が被害額を大きく超えるような賠償額を受け取る制度は、一般の人々はあまり想定していないことが明らかになった。他方で、加害者が国に対して、加害者の利益額等を考慮した金銭の支払いをすることは、受け入れられやすい可能性があることがわかった。また、損害賠償の目的に関する必要条件分析の研究では、損害賠償の目的として挙げられることが多いものについて、必要条件関係の分析を行った。この結果、損害賠償の目的において、損害填補は、制裁や抑止や報復感情の満足の必要条件であることがわかった。
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