研究課題/領域番号 |
19K13614
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2020-2022) 関西大学 (2019) |
研究代表者 |
築山 宏樹 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (60800480)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 地方選挙 / 地方議会 / 政治過程 / 選挙制度 / 因果推論 / サーベイ実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の地方選挙の選挙データを利用して、選挙区定数や自書式投票などの選挙制度の機能を明らかにする。具体的には、第一に、小選挙区制と中選挙区制が混在した都道府県議会議員選挙のデータから、選挙区定数の違いが現職者の選挙の強さに与える影響を分析する。また、第二に、一部で記号式投票を採用している市区町村長選挙のデータから、自書式投票と記号式投票が選挙結果に与える影響を分析する。これらの制度的特徴は国際的にもユニークであり、選挙区定数や投票用紙への記入方法などの重要な選挙制度のデザインの機能を検証することを可能とするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本の地方選挙の選挙データを利用して、選挙制度の効果、選挙競争が政策選択に与える影響、有権者が望ましいと思う政治家の個人的属性を明らかにしてきた。具体的な研究成果からは、1.選挙区の議員定数が小さいほど、現職者が有利になりやすいこと、2.投票用紙に候補者の名前を記入する自書式投票は、他の選挙と同時に行われる場合に、無効票が増えやすいこと、3.現職者が再選すると、任期後半に行政的な支出が増えがちなこと、4.有権者は国会議員には能力、地方議員には共感性を求める傾向があること、国政与野党から推薦を得ている「相乗り候補」を必ずしも忌避していないことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の地方選挙は、国際的にも稀少な選挙制度を採用しており、その特徴的な制度条件を利用することで、選挙競争や選挙制度のメカニズムについて、厳密な因果推論に基づく新規性のある証拠を提示することができた。近年、日本の地方選挙では、無投票当選の増加など選挙の無風化が問題視されている。本研究は、そのような選挙の競争性の低下が地方政府の政策選択に与える影響と、それらの背後にある選挙制度のメカニズムの理解に寄与するものである。地方選挙のように潜在的候補者の少ない選挙では、多数代表制は現職優位を促進する恐れがあるため、比例代表制の採用が好ましいかもしれない。
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