研究課題/領域番号 |
19K13617
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
醍醐 龍馬 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (70802841)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 黒田清隆 / 榎本武揚 / 樺太島仮規則 / 樺太千島交換条約 / 長崎稲佐ロシア海軍基地 / 日本政治外交史 / 日露関係史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、樺太千島交換条約(1875)の前史に当たる雑居地樺太の形成とその実態を解明する。具体的には、幕末の樺太島仮規則(1867)を契機とした樺太の雑居地化を検討する。その際には、英露関係や米露関係、露清関係といった多面的な国際関係、さらに戊辰戦争などの国内情勢との関係を踏まえながら、最終的に日本側が樺太放棄に踏み切った背景を明らかにする。以上から、樺太千島交換条約締結の前提条件を日露関係史の中で鮮明に理解することが出来るようになる。このような雑居地樺太への着目は、国境が不明確だった近代国家形成期の東アジアの事例提示の一つにもなる。
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研究成果の概要 |
本研究では、雑居地樺太をめぐる日露国境問題がいかに解消され、日本の政治と外交に何をもたらしたのか、を明らかにした。具体的には、樺太問題を中心にしながら同時期に発生したにもかかわらず、これまで没却されがちであったマリア・ルス号事件や長崎稲佐借地問題も交え、1875年における日露関係の転換とその意義を国内外の政治状況を踏まえ包括的に検討した。具体的には、黒田清隆、榎本武揚らが国内外の重層的な対立構造の中で樺太千島交換条約締結に漕ぎ付けロシアとの関係を調整し、その後の日本の東アジア進出の条件をもたらしたことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、明治初期の日露関係史の研究を事実上完了することができ、今後日露戦争への道を研究していく上で基礎となる前史に当たる部分を固めることができた。現代的に見ても、ロシアとの間で国境画定を実際に実現した過程を振り返ることは、現在の北方四島問題を考える上でも重要である。
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