研究課題/領域番号 |
19K13678
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
久保田 荘 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授(任期付) (00814352)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 保育市場 / 女性労働 / 給付金 / 消費 / ライフサイクルモデル / 補助金 / マクロ経済学 / 家族の経済学 / 保育補助金 / 特別定額給付金 / 新型コロナウイルス / 消費喚起効果 / SIRモデル / 異質的家計のマクロモデル / 保育 / 米国 / 女性就業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では米国の保育市場及び女性就労について、その長期的傾向、また政策の影響を分析する。米国では女性労働参加率の低下と高額な保育費用が大きな政治・社会問題となっている。私はこの研究課題について、まず保育市場の統計指標を整備することで事実解明を行う。そして、経済モデルのシミュレーションを用いて保育費高騰の原因を解明し、そしてより良い政策の提言を行う。
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研究成果の概要 |
マクロ経済学的なアプローチで家族の経済学について研究を行った。主なテーマは、アメリカにおける保育市場についてである。私は1990年代後半に保育価格が急激に上昇したことを見つけ、またクリントン政権の社会保障改革に起因する仮説を示した。これを保育市場均衡モデルで検討した。 さらに、世界的なコロナ危機を受け、家計の消費行動に関する新しいプロジェクトを開始した。特に、日本の10万円特別定額給付金に対する限界消費性向(MPC)を研究した。行政手続きに起因する支払いタイミングの違いを自然実験として利用した推計で、MPCは家族規模や家族類型に依存せず、ほぼ均質であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メインの米国保育市場の分析について、大きな学術的意義は政策が意図しない逆の効果をもたらす可能性を見いだしたことにある。具体的には、保育需要側への補助として行われた給付が、保育供給側である、子供のいる保育士の行動を変化させてしまったことである。これは、政策を考える上で一般均衡的効果を考慮することの重要性を示唆する。また、社会的意義については、米国の保育料高騰問題について、需要側への補助ではなく、保育供給側への補助、特に伝統的な家庭的保育を活用することが有効な解決策だと見いだしたことにある。
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