研究課題/領域番号 |
19K13680
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2023) 岐阜大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
原田 峻平 名古屋市立大学, データサイエンス学部, 准教授 (70735224)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | PFI事業 / 競争入札 / 意思決定 / 回帰分析 / プロビット・モデル / 入札 / 競争性 / プロビットモデル / 意思決定モデル / 入札参加事業者数 / PFI |
研究開始時の研究の概要 |
公共事業に民間のノウハウを活用するPFI(Private Finance Initiative)の入札の競争性に関する実証研究には、入札参加者の意思決定を考慮に入れて実質的な競争の程度を特定するという学術的課題と、人手不足などに起因する競争性低下に対する解決策の提示という現実的な課題が残されている。本研究は、これらの課題を解決するために、日本のPFIデータを用いて、事業者の入札参加に関する意思決定要因を特定するモデルを構築し、実質的競争の効果を明らかにするための実証的な分析を行うものである。
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研究実績の概要 |
PFI事業の競争入札の競争性に関する研究では、入札参加事業者数によって落札価格が下がることが分かっている。しかし、近年では入札参加事業者数が減少し、1社入札が増えるなどの問題が指摘されている。そこで、本研究では、その入札参加事業者数がどのように決まるのか、を明らかにするために個別企業の入札参加行動に焦点を当てた研究を行った。 本研究では、PFI事業のうち、公共施設の建設が中心となる事業についての入札データを収集した。そして、これまでにPFI事業を多数受注している大手事業者(いわゆる大手ゼネコン)4社について、各事業への入札参加の有無を被説明変数とするプロビットモデルを構築して回帰分析を行った。 その結果として明らかになったこととして、以下の3点が挙げられる。①受注実績1位企業については、イニシャルコストの大きさや契約期間などが入札参加を決定する要因とはなっていないこと、②受注実績2位、3位の企業においてはイニシャルコストの大きさが入札参加を決定する要因となっていること、③全体として、関東圏で行われる事業のほうが入札参加事業者数が多いこと、である。 以上の結果は、PFI事業で入札の競争性を高めるために必要な施策として以下の2点が考えられることを示唆している。①イニシャルコストの大きさが事業者にとっての魅力につながるため、小規模案件は複数事業の統合(バンドリング)も選択肢となること、②関東圏で行われる事業のほうが大手事業者が積極的に参加していることから、地方では地元企業の参画を促す取り組みが重要であること。 以上のような結果が得られたが、回帰分析における疑似決定係数が0.2~0.5と会社位によってばらつきがあるため、より予測精度の高いモデルについてはさらなる検証が必要であることも分かった。
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