研究課題/領域番号 |
19K13737
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
都築 幸宏 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (00801599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | Option pricing / financial bubble / Black-Scholes equations / perpetuity / executive stock option / funding / option pricing / 3次元ベッセル過程 / フィルトレーション拡大 / Dufresne's perpetuity / ラプラス変換 / デリバティブ / オプション / 無裁定 / 資金調達コスト / 優複製 / インサイダーモデル / 数理ファイナンス / 金融工学 / 金融派生商品 / 金融市場モデル |
研究開始時の研究の概要 |
市場参加者間で情報が異なることにより裁定機会が存在するような金融市場モデルを考え、この市場モデルにおける取引戦略やデリバティブ価格を研究する。裁定機会とはリスクなく収益があげられることであり、無裁定であることが理論の前提であったが、2008年の金融危機以降に金融実務に導入された資金調達コストをデリバティブ価格に反映する慣習は、既存の理論から導出される価格に調整項を加えるだけで無裁定性を保証せず、それに代わる理論的な正当性もない。そこで本研究の応用として、資金調達コストである国債と社債の利回りの差を、投資家と経営者間の情報格差に基づくものとし、資金調達コストを反映したデリバティブ価格を研究する。
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研究成果の概要 |
本研究では2つの成果を得た。 ひとつめは3次元Bessel過程に関するperpetuityのラプラス変換の導出である。perpetuityとは拡散過程の経路に関する積分で、積分区間が正の実数全体であるものである。perpetuityの代表的な例であるDufresneのperpetuityやそのtranslated版を含む既存の例をいくつか再現し、さらに新しい結果も得た。 ふたつめは株式による資金調達の影響を考慮したデリバティブ価格の導出である。応用として経営者に付与されたストック・オプションの評価とバブル・モデルにおけるコール・オプション価格の数値計算手法を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において学術的・社会的意義が最も大きい成果は、バブル・モデルにおけるデリバティブ価格の新しい数値計算方法の確立である。バブル・モデルは学術的にも金融実務的にも関心が高くデリバティブの価格式は数式として導出されているものの、数値計算方法は確立されていなかった。これは対応する偏微分方程式の解に一意性がなく、有限差分法で意図する解を得るためには境界条件に特別な注意が必要であるためである。先行研究では素朴な境界条件しか考えられておらず、整合性が保てない点があったが、本研究ではこの点を改良した。
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