研究課題/領域番号 |
19K13852
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
篠崎 伸也 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (10636898)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 費用構造 / 営業レバレッジ / ペイアウト政策(配当と自社株買い) / 保有現金 / ペイアウト政策 / ペイアウト / 費用構造(営業レバレッジ) / 費用の変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、費用の変動が①ペイアウト水準やその実施確率に与える効果、②ペイアウト手段の違いやその選択にもたらす影響を検証する。さらに③費用の変動が異なる企業がペイアウトした後に、株価に変化が現れるか検証する。利益はペイアウトと内部留保に分けられるが、仮に費用の変動がペイアウトに作用すれば、内部留保にも影響が及ぶ。この点は、近年問題視されている内部留保の過剰な積み上げの背景に、費用の変動が関係する可能性を示唆している。この可能性を明らかになれば、ペイアウト政策の立案において費用の変動を考慮する重要性を指摘でき、研究・実務の両面で一定の貢献ができると考えている。
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研究成果の概要 |
第1に短期的に変動費比率の高い企業が配当を選好していた。第2にこのタイプの企業はペイアウトを行い、現金を保有する傾向が強かった。第3に配当と自社株買いは代替関係にあった。第4にスチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードの発効以降、機関投資家や外国人投資家の持株比率が高い企業は自社株買いを選択する一方で、将来的に負担とならない範囲でペイアウトしていた。第5に両コードの発効後、過去5年平均のROEや配当性向が低い企業および過大投資のリスクが高い企業は配当していた。第6に経済の不確実性の影響を強く受けている企業では、これらの投資家が両コードの発効後に自社株買いを選好していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義として、第1に費用構造の観点からペイアウト政策を実証分析している。費用構造とペイアウトの研究は総じて少なく、本研究はリサーチギャップを埋めている。第2に近年のコーポレートガバナンス (CG) 改革がペイアウトに与える影響について実証分析しており、本研究はCGとペイアウトの既存研究を補完している。これらの結果は、社会的にも重要な示唆を含む。第1に企業が費用の調整しながら、ペイアウトのために内部留保を調整している可能性がある。つまり費用構造を通して日本企業の内部留保に対する姿勢を窺い知ることができる。第2にCGの改善がペイアウトの増加につながり、株主の効用を高めている可能性がある。
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