研究課題/領域番号 |
19K13874
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
角 裕太 広島経済大学, 経営学部, 准教授 (00824351)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 会計 / 南洋拓殖 / 南洋興発 / 南洋庁 / 臨時南洋群島防備隊 / 原価管理 / 燐鉱・製糖事業 / 決算・決算報告 / 燐鉱事業 / 製糖事業 / 原価計算 / 南洋拓殖株式会社 / 南洋群島 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、植民地(委任統治領)と会計というテーマのもと、とくに南洋群島における会計の役割・機能を明らかにすることを目的とする。中でも、南洋群島統治にあたって重要な役割を果たした南洋拓殖株式会社を対象に、燐鉱事業における原価管理の実態とそれが植民地統治において果たしていた役割・機能を明らかにする。本研究を進めるにあたっては、国立公文書館つくば分館に所蔵されている決算書類を含む一次史料を主に利用する。
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研究実績の概要 |
本研究は,植民地・委任統治領と会計というテーマのもと,企業・諸機関の実態とそこでの会計の役割を明らかにすることを目的としている。その問題意識のもと,とりわけ,燐鉱事業に従事した企業,公的組織(臨時南洋群島防備隊・南洋庁)を対象に分析を進めた。 燐鉱事業の経営は,臨時南洋群島防備隊から南洋庁,南洋庁から南洋拓殖へと移っていった。その中で,臨時南洋群島防備隊から南洋庁へ燐鉱事業が移転される際の,当該事業に関わる財産評価の一端が明らかになった。すなわち,そこでは,現地調査等に基づいて採取可能鉱量(原鉱)を算定するとともに,臨時南洋群島防備隊統治時代における生産実績に基づき精鉱量や事業の継続年限を推定した。また,ドイツ統治時代におけるドイツ企業(独逸南洋燐鉱会社)の経営成績(貸借対照表と損益計算表)をもとに収益(毎年純益)と利回り(元本償還利率)が決定された。そして,これらの数値をもとに,当該事業の財産は,インウッド方式により評価されたと考えられる。 また,これまで臨時南洋群島防備隊による燐鉱事業がどのような成績を収めていたのか明確ではなかった。その中で,新たに,同組織における燐鉱事業の経営成績を把握することができた。そこでは,同組織による燐鉱払下収入全体(払下数量・単価等の内訳を含む)と各年度の支出(事業費,事業費に関わらない採鉱所経費,売却費用等)が開示されている。そして,同組織による燐鉱事業においては,統治した期間全体にわたって,収入が支出を大幅に超過していることがわかった。加えて,支出として計上していない間接費(南洋地域における交通・警備費に関わる金額)を含めた場合でも,収入が支出を超過していた。組織によって把握していた費目や開示様式が異なるため,単純な比較は困難であると考えられるが,これによってドイツ統治時代から日本統治時代全体にわたる燐鉱事業に関する成績が把握可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該テーマに関連する研究成果を国際雑誌や国際学会等において発表することができているものの,一部成果については,十分にまとめることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
史料収集とその整理を進めていく。とりわけ,ドイツ統治時代から日本統治時代にかけての諸組織における燐鉱事業の展開を体系的にまとめていくことを目標とする。
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