研究課題/領域番号 |
19K13882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 広島市立大学 (2021-2023) 長崎大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
四條 知恵 広島市立大学, 平和研究所, 准教授 (80730556)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 原爆被害 / ろう者 / 歴史叙述 / 長崎 / 広島 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主に長崎をフィールドとして、従来の原爆被害者の中で周縁におかれてきた聞こえない人々(ろう者)を対象とし、被害の掘り起こしを実証的に進めつつ、集団としてどのように原爆被害の記憶が形成されてきたのかを明らかにする。歴史の物語論を主流とする「歴史と語り」という枠組みを参照しつつ、従来の原爆被害という歴史的出来事の表象から排除されてきたろう者の語りに光をあてることで、長崎における地域近現代史の再構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、主に長崎をフィールドとして、従来の原爆被害者の中で周縁におかれてきた聞こえない人々(ろう者)を対象に被害の掘り起こしを実証的に進めつつ、集団としてどのように原爆被害の記憶が形成されてきたのかを明らかにすることを目的としている。この目的を果たすため、研究実施計画全体としては、長崎におけるⅰろう学校、ⅱろう者に関係する組織・グループ、ⅲろう被爆者の3つの軸を対象に調査を進める予定である。 当該年度は前年度に引き続き、対象範囲を広島に広げ、「広島県手話通訳問題研究会伝承班」および広島手話劇団「伝」の活動への参与観察を行った。また、広島手話劇団「河」のシナリオやパンフレットなどの当時の公演資料を収集し、これらの資料のスキャニングおよびデータ化を行った。1980年代半ばから活動した広島手話劇団「河」は、原爆を主題とする手話劇を生み出してきた集団である。関係資料を発掘し、収集できたことは、ろう者(および関係する聴者)がどのように原爆被害の記憶を形成してきたのかを検討するうえで重要な成果といえる。 研究成果の公表については、本研究の研究成果を含むブックレット『戦争の記憶――ヒロシマ/ナガサキの空白』(広島市立大学広島平和研究所)の責任編集および発行を行った。また、これまでの研究成果の一部をまとめた査読論文「言語的マイノリティによる原爆被害の語りにおける困難――長崎県立ろう学校を事例として」が、『広島平和研究』に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな資料発掘も進み、研究成果の公表も順調である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き参与観察を進めつつ、最終年度に向けた研究成果のとりまとめを行いたい。
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