研究課題/領域番号 |
19K13915
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 群馬県立女子大学 |
研究代表者 |
歸山 亜紀 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (50767358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 終末期 / がん患者 / 闘病記 / 闘病ブログ / 計量テキスト分析 / 個人誌の断絶 / テキスト分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、がん患者本人が綴った闘病ブログの記述内容(テキスト)を収集し、計量的に分析することによって、自らの死を予見しつつ、目の前の日常を生きる「新しい終末期」におけるがん患者の経験の解明に取り組むものである。患者は病いや、それにともなう死をどのように受け止め、どうありたいと思っているのか。これらを明らかにすることにより、患者への理解、死にゆく過程の支援をめぐる課題に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
予見された死に向かって比較的長く生きる新しい終末期を、患者がどう生きているかについての研究は少ない。そこで本研究はがん患者の記す闘病ブログを対象として、自分が回復の見込みのない終末期であるということをいつどのように理解しているのか、また、その終末期をどう生きているかについて検討した。分析の結果、終末期であることを患者は、医師主導のコミュニケーションによってではなく、患者主導のコミュニケーションによって知っていることが明らかとなった。また、終末期には患者あるいは死にゆくものとして以外の通常の役割行為への希求がみられ、それを行うことが実存の痛みへの対処となっていると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題において示された知見から示唆されるのは、終末期を生きる人びとを患者以外の主要なアクターである家族、医療者、職場がいかに支えるかについて、たとえば家族内での役割、職場での役割など「患者」として以外の社会的な役割の遂行をできるだけ可能にすることである。これは死にゆく過程の支援をめぐる課題にたいしてのひとつの提案となっており、本研究課題の意義である。また、死を積極的に受容して自分の生に満足して死んでいくというイメージを患者に要求する社会と患者の死にゆく過程はおそらく一致していない。これを明らかにしたことも本研究の意義であると考える。
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