研究課題/領域番号 |
19K14024
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 鎌倉女子大学 (2023) 国立医薬品食品衛生研究所 (2019-2022) |
研究代表者 |
山本 詩織 鎌倉女子大学, 家政学部, 講師 (40795291)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Listeria monocytogenes / バイオフィルム / 環境適応 / 不均一性 / 細胞表面特性 / 菌体脂肪酸組成 / 成熟 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオフィルム形成は微生物の環境への集団適応の一つであり、一度形成すると完全除去は難しく、その形成制御が必要である。食品衛生分野では、食品製造環境等におけるListeria monocytogenesのバイオフィルム形成による食品汚染を介したヒト健康被害が問題とされており、本菌の環境適応に係る分子基盤の解明が求められている。本研究では、本菌の環境適応能力に係るゆらぎの明確化を目指し、バイオフィルム形成段階に顕す細胞形質に基づいた亜集団別分類を通じて細胞構造学的及び分子代謝学的観点からその形質特性を明らかにすると共に、当該形質の成熟機構に係る遺伝学的挙動の解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、食品製造環境等におけるListeria monocytogenesのバイオフィルム形成による食品汚染が問題視されていることを踏まえ、当該形質の形成段階に顕す細胞形質に基づいた亜集団別分類を通じて、細胞構造学的及び分子代謝的観点からの形質特性について検討した。血清型1/2aのL. monocytogenes菌株のバイオフィルム形成細胞では細胞の形態によるバラつきが認められると共に、このゆらぎが細胞表層構造に伴う付着強度の変動に依存する可能性が示唆された。また、菌体脂肪酸組成の変動が細胞表面特性に影響を及ぼしている可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品製造環境におけるL. monocytogenesのバイオフィルム形成は食品への持続汚染を誘起する一因と目されており、その制御が必要とされている。本研究を通じて、形成されたバイオフィルム中の付着強度別細胞群衆における細胞特性を分子代謝的かつ細胞構造的に比較し、当該形成に伴うゆらぎの一端を明らかにすることができた。本成果は、集団微生物学的かつ環境生態学的観点からの当該形成機構の理解につながると共に、バイオフィルム形成制御に資する重要な学術知見となり、将来的に食品衛生分野に加えて医学・環境微生物学分野においても高い意義をもたらすと考えられる。
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