研究課題/領域番号 |
19K14036
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
今井 敦子 相模女子大学, 栄養科学部, 講師 (00580086)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 母子 / 高脂肪食 / 炎症 / DOHaD / 加齢 / 脂肪組織炎症 / 母子栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠前から授乳期にかけての母親の食生活や健康状態は出生子の健康に影響する。内臓脂肪肥満における脂肪組織の炎症は全身の炎症病態に影響し、感染症やがんのみならず、動脈硬化性疾患やサルコペニアなどの高齢社会における主要疾患の基盤病態となるが、母体肥満による胎内環境の変化(特に脂肪組織の変化)が出生子の老齢期に及ぼす影響は不明である。本研究では母マウスの食餌誘導性肥満が仔マウスに及ぼす影響について、「免疫老化」の視点から病態モデルマウスを用いて検討する。本研究は超高齢社会において、次世代の健康を守るための食生活、さらには炎症関連疾患の栄養療法を発展させるための有用な基礎研究となり得る。
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研究成果の概要 |
母マウスの高脂肪食(HF食)による食餌誘導性肥満(DIO)が出生仔に及ぼす影響を検討した。仔マウスの体重推移は若齢期では高値、老齢期では逆に低値傾向であった。エンドトキシンショックに対する応答として、母マウスDIOにより炎症にかかわるサイトカイン産生を調節して炎症病態を調整する因子である熱ショックたんぱく質70(HSP70)発現量が有意に高値を示した。また、脾臓HSP70発現量とIL-10産生量(脾臓細胞T細胞マイトジェン刺激)に有意な正の相関を認めた。以上の結果より、母マウスのDIOは仔マウスの老齢期における炎症病態の調整機構に影響を及ぼすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎生期や生後早期の環境を強く受けて決定される」というDOHaDの概念から、次世代の健康寿命の伸展や病気の予防のためには、胎生期や生後早期からの対策が必要である。しかしながら、母親の栄養環境が出生子に及ぼす影響の理解は不十分である。本研究では妊娠中の食餌誘導性肥満が出生仔マウスの炎症病態の調節機構に影響を及ぼす可能性を示した。動物モデルを用いた本研究の結果はすぐヒトに外挿できるものではないが、栄養状態と免疫機能の関わりを広く追及することは超高齢社会で増加する疾患の病態を理解し、栄養療法を発展させる上で必要不可欠である。
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