研究課題/領域番号 |
19K14046
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 公益財団法人岩手生物工学研究センター |
研究代表者 |
上杉 祥太 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 主任研究員 (30795901)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | キク科植物 / カルシウムシグナル / interleukin-2 / アレルギー / 作用機序 / 単離精製 / 機能性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
キク科植物は、独自の分子骨格を持つ成分を生産することが知られ、特徴的な機能性成分の探索源として有望である。我々は、遺伝子変異酵母株を用いたスクリーニングにより、キク科山菜であるフキノトウとモミジガサに、アレルギーや2型糖尿病などに関わるカルシウムシグナル伝達阻害作用を見出した。そこで本研究では、活性物質を単離同定し、作用発現に関わる分子機構を詳細に解析する。さらに、明らかにした活性物質と機能性の双方に着目して、食用キク科植物の多角的な比較解析を行い、機能性素材としての有用性を発掘・検証する。以上の研究により、キク科植物の新たな活用法を提示するとともに、健康維持やQOL向上に資することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、食用キク科植物を対象として、新たに見出したカルシウムシグナル阻害成分の探索と作用機序の解明に取り組んだ。いずれも山菜である、フキノトウから1化合物、モミジガサから2化合物を単離同定した。このうち、フキノトウ由来のbakkenolide Bが、ヒトT細胞株Jurkatにおいて、アトピー性皮膚炎等に関わるinterleukin-2の産生を抑制することを明らかにした。さらに、フキノトウ、モミジガサ、ボウナの3種のキク科山菜を対象に、個体ごとの成分分析を実施した結果、含まれる成分に質的・量的な差異が存在することが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で対象とした「山菜」は、重要な伝統食資源であり、和食文化や地域文化・地域産業において重要な役割を担っているが、その健康機能性については未解明な部分が多い。本研究により、このような学術的知見が乏しい現状にある山菜について、新たな機能性成分が見出された。またこの知見は、機能性素材としての有用性を示すものであり、山菜の高付加価値化に繋がるものと考えられる。
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