研究課題/領域番号 |
19K14101
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
上山 瑠津子 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (10804445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 保育者 / 子ども理解 / 省察 / 行動特性 / 可視化 / メンタルモデル / 保育実践 / 保育カンファレンス / 認知カウンセリング / 実践知 |
研究開始時の研究の概要 |
保育実践では,早期離職や保育者不足による多忙化により,保育者の実践知の育成と継承は近年ますます難しくなっている。 そこで,本研究では,保育者の実践知である子ども理解を構造的に可視化し,保育者相互に実践知を共有できる新たな保育実践プログラムの構築を目指し,以下の3点について実証的に検討する。第1に,従来の子どもの記述のみの内容分析にとどまっていた子ども理解を,保育者の信念,意図を含めた構造分析の観点から明らかにする。第2に,子ども理解と保育実践の関連を明らかにする。第3に,構造分析によって示された子ども理解を促進する保育実践ツールを開発し,その有効性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究は,保育者の実践知である子ども理解の構造を明らかにし,その構造をもとに保育実践ツールを開発,検証を行うことを目的として,2つの調査を行った。調査1では33名の保育士・幼稚園教諭を対象に場面想定法を用いた面接調査を行った。その結果,保育者の知識や信念を含む子ども理解の視点が相互に関連する構造モデルが生成された。調査2では,幼稚園教諭4名を対象に,調査1の結果と認知カウンセリングの手法を援用した個別面接を行った結果,子ども理解の深化が確認され,省察や子どもへの関わりの向上に一定の有効性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義としては,子ども理解をメンタルモデルとして捉え,「子ども情報の吟味」,「年齢に応じた発達段階」,「園生活を通じた成長期待」と下位概念の関連を含む子ども理解の全体構造を仮説モデルとして示した点である。さらに,生成されたモデルを活用した保育実践の開発と検証を通して,保育実践の向上に一定の有効性が示されたことは,複雑化・多忙化する保育実践における実践知の獲得と継承に対して具体的な支援方法を提案できた点で意義がある。
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