研究課題/領域番号 |
19K14141
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 尚絅大学 |
研究代表者 |
水谷 智彦 尚絅大学, 生活科学部, 講師 (00791427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 罰 / 規律 / 学校 / 校則 / 訓練 / 教師 / 個性 / 児童 / 停学 / 退学 / 学校管理 / 儀礼 / 歴史社会学 / 懲戒 / 個性調査 / 児童観 / 教師像 |
研究開始時の研究の概要 |
周縁的な存在である子どもを罰することは、社会に不可欠な営みである。ここでいう周縁的とは将来、社会の成員になりうるとともに、社会を脅かす存在にもなりうるという両義性を意味するが、こうした周縁性をもつ子どもを社会に取り込むには彼らを管理し、罰するための概念機構がなくてはならない。近代社会には子どもを罰し、訓練する制度的・組織的な空間として学校が存在するが、学校での罰はいかに制度化されたのか。また学校はいかに罰すべき児童を定義し、同時に児童を罰する教師の権力性を規定したのか。本研究は明治後期から昭和初期における学校での処罰をめぐる制度、言説、実践からみえる児童、教師観念の成立、展開の諸相に迫る。
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研究成果の概要 |
本研究は日本の近代学校における子どもへの罰の構成過程を制度、言説、実践の3つの水準から解明することを目指したものである。研究期間内には退学や停学といった罰が、学校秩序を形成、維持するための儀礼としての意味をもつことを明らかにした。また、学級のなかでおこなわれる叱責が降格儀礼としての意味をもち、教室内の規範や違反事項とは何かを確認することで、生徒たちの集団性を高める機能を担わされていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで社会学的な視点からの研究がなされてこなかった、近代学校成立期における罰の構成過程を探究するという独自性をもつものである。とりわけ、学校において日常的におこなわれている叱責や罰が、学校秩序や学級集団の形成、あるいは教師の権威性の確立といった点でいかなる機能を果たしてきたのかを問う契機となる研究と考えられる。また児童という存在を学校がいかにまなざし、処遇してきたのかという点において新たな知見を提供できたと考える。
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