研究課題/領域番号 |
19K14150
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 晴香 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 技術補佐員 (90836529)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 睡眠 / 潜在クラス分析 / 認知機能 / コホート研究 / 睡眠パターン / 潜在遷移分析 / 認知発達 |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児期の睡眠は、後の肥満や情緒的・認知的発達等の様々なアウトカムとの関連が報告されている。乳幼児期は特に、睡眠時間や就寝時刻、昼寝等の各側面からみる睡眠パターンは様々であるが、個人の睡眠パターンとその遷移を特定した研究は見当たらない。本研究ではまず、乳児期、幼児期、学齢期の3つの時点において、それぞれ睡眠パターンは何通りに分けられるか、各個人はどのような睡眠パターンに遷移していくのか、またそれらを特徴づける要因にはどのようなものがあるかをlatent transition analysis (LTA) を用いて検討する。さらにそれらは、学齢期の認知発達とどのように関連するかを特定する。
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研究成果の概要 |
本研究では、HBC Study に参加する児788名を対象に、10ヶ月、32ヶ月、9歳の3時点における睡眠の軌跡を縦断的に調べた。睡眠時間と入眠時刻の2つの変数を用いて潜在クラス成長分析を実施した結果、7つの軌跡クラスが特定された。9歳時点の認知機能との関連を調べた結果、睡眠時間、入眠時刻とも平均的な群と比較して、平均睡眠時間・遅寝群は9歳時点の処理速度の得点が低く、短時間睡眠・遅寝群でも、9歳時点の処理速度の得点が低かった。しかし、9歳時点で測定されたASD特性とADHD特性で統制した結果、上記の関連は有意ではり、睡眠と認知機能の関連にはこれらの特性が交絡していることを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、睡眠時間と入眠時刻という2つの要因を複合的に考慮し、睡眠の軌跡クラスを特定した。学齢期には、子どもの睡眠は社会生活リズムに合わせたものになっており、平均に収束する傾向があるものの、生後10ヶ月時の睡眠の特徴は、9歳ごろまで大きく変化せず、この時期の睡眠特性の測定が重要な意義をもつことを示唆する。また10ヶ月時の遅寝は、9歳時点での認知機能と関連していたが、これにはASDやADHDといった神経発達症の特性が交絡している可能性があった。このことは、乳幼児期の遅寝が不良なアウトカムに直接関連する訳ではなく、神経発達特性を含めた生得的な特性を考慮すべきであることを示している。
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