研究課題/領域番号 |
19K14151
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
水津 幸恵 三重大学, 教育学部, 講師 (30837331)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 乳幼児 / 道徳性 / 生活 / 倉橋惣三 / ノディングズ / ケアリング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、いじめや非行の問題から道徳教育の重要性が叫ばれている。これに関して乳幼児期は、認知的な道徳発達段階理論において発達の前段階として位置付けられてきた。これに対して本研究では、ケア論の立場から「段階(stage)」ではなく「生活(life)」において道徳性をとらえるネル・ノディングズのケアリング論、さらにノディングズと同様の議論を先んじて行っていたわが国の「幼児教育の父」である倉橋惣三の「生活」を主軸に置いた保育思想に着目し、日々の生活における他者とのかかわり合いの中で既にさまざまに立ち現われている乳幼児期の道徳性をとらえる、新たな視点を提起することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、倉橋惣三の保育思想とネル・ノディングズのケアリング論の理論的検討から、乳幼児期の道徳性をとらえる新たな視点を提起することを目的とした。研究の結果、乳幼児期を原則に基づく善悪判断の発達の前段階としてとらえる従来の見方に対して、人間理解の共感的なまなざしの中でケアリング関係を構築するという観点から道徳性をとらえることの必要性が見出された。そこで子ども同士の対人葛藤は、自発的な存在として互いを感じ合い共感的にかかわり合おうとするケアリング関係の構築に通じる出来事としてとらえられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、人間の道徳性を個人の資質や獲得する能力としてではなく、関係性の中で立ち現れることとしてとらえるという新たな視点を提起した。そしてその視点から、保育の場における子どもの対人葛藤をいかにとらえてかかわるかについて具体的に明らかにした。この研究の成果は、図書等にまとめるとともに、報告冊子を作成し、園の保育者や保護者、保育関係者に配布を行った。
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