研究課題/領域番号 |
19K14229
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 宮城教育大学 (2020-2021) 筑波大学 (2019) |
研究代表者 |
花園 隼人 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60816495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 数学の美 / 文化 / 教授方法 / 数学的証明 / 数学的体系 / 数学的定義(条件) / 感得 / 数学教育学 / 学習者 / 促進方法 / 数学教育 / 美しさ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,数学の文化的な美の感得を促す教授方法を解明することを目的とし,学習者が教授的介入のもとで数学の文化的な美を感得する過程を教授実験とデータの質的分析によって詳細に解明する。具体的には,この美を典型的に反映している数学的対象として①数学的証明,②数学的定義(条件),③数学的体系の3つを挙げ,主として中学生と高校生を対象とする調査を計画して実施することで,実践的な知見を得る。
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研究成果の概要 |
本研究では,数学の「文化的な美」を学習者が感得する教授方法を解明するために,この美を反映した数学的対象として数学的証明,数学的定義(条件),数学的体系に焦点化した実践的研究を展開した。 数学的定義(条件)と数学的体系についての大学生を対象とした研究では,体系全体を構成する「形式」の同定が困難な場合には体系の一部を図表現で構造化することが有益であること,「形式」として機能する数学的関係の学習経験が重要な役割を担うことが明らかになった。 数学的証明についての中学生を対象とした研究では,形式的証明と非形式的な証明の比較が,暗黙化された数学的証明の「文化的な美」の感得を促進しうることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
理論的に基礎づけられた数学の「文化的な美」及びその感得の促進方法を数学的対象と関連づけて具体化し,さらにその促進方法の有効性を実証的に提示したことは,本研究独自の研究成果である。この成果は,これまで主観的な実践に陥りがちであった「数学の美しさ」に関する教育活動に対して,科学的な基礎を与えるものである。 この「数学の美しさ」に関する実践が広く行われることによって,論理のみでは説明できない数学的証明や定義などの特性を学習者が理解することを助けるとともに,数学学習に関する日本の学習者の最重要課題の一つである学習意欲の低迷の改善に大いに寄与することが期待される。
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