研究課題/領域番号 |
19K14281
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田原 敬 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70735753)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 雑音下聴取 / 音環境 / 注意機能 / 発達障害 / クラスルームノイズ / 聴取困難 / 幼児 / SN比 / 雑音下のコミュニケーション / 聴覚情報処理 / 認知発達 |
研究開始時の研究の概要 |
学校での学習形態が多様化している今日において,他のグループの会話音や隣の教室からの活動音等が「雑音」となって,児童生徒のコミュニケーション活動に影響を及ぼす可能性が指摘されるようになった。しかし,音環境という視点から児童生徒の困難について検討した報告は少なく,支援の手立てが検討できないという課題がある。そこで本研究では,どのような雑音がコミュニケーション活動に影響を及ぼすのか,また,どのような児童生徒が雑音からの影響を受けやすいのかという点を明らかにする。これらの研究の結果から,児童生徒が学習場面において円滑なコミュニケーション活動を行うための音環境のあり方を提言することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の結果から,雑音下聴取に影響を及ぼす外的要因が明らかとなり,特に「子どもたちが自由に遊んでいる音」等のクラスルームノイズを使用した条件での聴取成績が低下していたことから,日常生活に近づけた条件下で雑音下聴取成績を検討することの重要性が確認された。さらに雑音下聴取成績は幼児期において発達することが明らかとなり,その背景要因のひとつとして注意機能の影響が考えられた。実際に,雑音下聴取困難を抱える事例においては,注意機能計測課題の成績も低下していたことから,これらの認知的要因から雑音下聴取困難を捉えることの重要性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで,「聴覚的な困難さ」を検討する際には難聴児がその対象となることが一般的であった。さらに,発達障害のある児童について検討する際には,その行動特性に焦点が当てられることが多く,聴覚的な困難さについてはあまり触れられてこなかった。本研究を実施したことで,注意機能に困難さのある児童は雑音下聴取にも困難を抱えている可能性が考えられ,聴覚的な視点からも,良好なSN比を設定する等の支援を提供する必要が考えられた。
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