研究課題/領域番号 |
19K14365
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 淑徳大学 (2023) 玉川大学 (2020-2022) 一橋大学 (2019) |
研究代表者 |
松本 良恵 淑徳大学, 人文学部, 助教 (30772735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 向社会行動 / 利他性 / 協働行為 / 行動の同期 / 協力行動 / 協働行動 / 経済ゲーム実験 |
研究開始時の研究の概要 |
自己利益を犠牲にせずに、他者と共に自己利益の最大化を可能とする相利的協働行為が協力的関係の形成にどのような役割を果たし、ヒトの利他性の生起にどのような影響を与えるのかを検討する。具体的には、相利的協働行為に含まれる、他者と共に同じ行動をとるという行動同期要因が重要なのか、それとも、互いにより大きな利益獲得を目指すという協働的意図要因が重要なのかを一連の実験室実験によって検討する。
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研究成果の概要 |
ヒトの協力行動進化の謎は、これまでジレンマ状況を中心に検討されてきた。しかしながら、ヒトの生活史の中で、他者との間に搾取する・されるといったジレンマ状況はそれほど大きな割合を占めておらず、互いの利益のために助け合う「相利的協働」状況の方がより一般的であることが指摘されている。本研究では、相利的協働行為に含まれる、他者と共に同じ行動をとるという行動同期要因が重要なのか、それとも、互いにより大きな利益獲得を目指すという協働的意図要因が重要なのかを一連の実験室実験によって検討した。その結果、相利的協働行為に含まれる、共同的意図や、利益の対称性が重要な要因である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトが行う自己犠牲を伴う協力行動の維持は、単に他のメンバーと行動が一致したという事実の蓄積では達成されず、そうした同期を伴う行動が行動の同期を目指す意図のもと行われることや、相互に同様の利益をもたらすことが必要なことが示唆された。このことから、現実場面で集団への協力を引き出すためには、たとえば合唱や行進といった同期を伴う行動それのみでは不十分であり、その背景にある互いの意図やそうした行動から推測される利益の対称性等からの影響が重要である可能性が示された。
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