研究課題/領域番号 |
19K14366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
田中 大貴 玉川大学, 脳科学研究所, 特任助教 (30813802)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 社会的意思決定 / 経済ゲーム / リスク認知 / MRI / 遺伝子多型 / 計算論モデリング / 個人差 / 社会神経科学 / 強化学習 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの利他性にはなぜ個人差が生じるのか、その要因を問うことは共栄的な社会の達成・維持にとって重要である。近年の心理学研究において、協力行動の個人差は単一の意思決定プロセスに基づく出力の差異から生じるのではなく、プロセスそのものの違いから生じている可能性が指摘されている。しかし、そのプロセスの違いがどのような心理的メカニズムの差異に基づいているのかは未だ明らかでない。そこで本研究では、社会的意思決定場面における「リスク」の捉え方(リスク認知方略)に着目し、協力行動の意思決定プロセスの個人差が生じるメカニズムを経済ゲーム実験およびMRIデータにより明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、社会的意思決定において、自身の利得のみを気にする者(proself)と、他者の利得も気にする者(prosocial)との間の個人差を、リスク認知方略(意思決定の際にどのようなリスクが重視されるか)という観点から検討した。具体的には、(1)評判悪化リスクおよび(2)搾取リスクがある状況でのproself/prosocialの社会的意思決定メカニズムをMRIデータを用いて明らかにした。また、(3)どちらのリスクもないような状況における社会的意思決定の個人差の遺伝学的基盤の検討も行い、国際誌において論文化することができた。(1)(2)についても論文化に向けて引き続き研究を進める。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、我々人間の他者に対する協力行動がどのようなメカニズムでなされているかを、その人のもともと持っている利他性(自身の利得のみを気にするタイプか、他者の利得も気にするタイプか)と、社会的意思決定場面において生じるリスク(協力しないと評判が下がるリスクや、協力すると相手から搾取されるリスク)の認知という二つの要因について、行動データや生物学的指標(脳・遺伝子)から検討したものである。本研究の成果により、人の社会的意思決定になぜ個人差が生まれるのかという謎が詳細に明らかになるとともに、共栄的な社会を実現するためのシステムを創出するための重要な視座が提供できると考える。
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