研究課題/領域番号 |
19K14372
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
藤原 勇 聖心女子大学, 現代教養学部, 講師 (30782966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 信頼 / 被信頼 / 上司・部下関係 / ストレス / 動機づけ / 組織自尊感情 / 絆 / 縦断研究 |
研究開始時の研究の概要 |
労働者のメンタルヘルスや働きがいを害する問題が後を絶たない。こうした問題の多くは,上司と部下の間に適切な信頼関係が形成されていないことが関係している。 しかし,相手への高すぎる信頼は過剰な期待となり,相手はその期待以上の成果を出しにくく,逆に信頼を損ねることにつながることがある。こうした信頼関係の構築では,上司・部下関係で相手への信頼を高めるだけでなく,被信頼(相手から信頼されていると思うこと)をバランス良く高める必要がある。 こうしたことを踏まえ,本研究では,上司と部下の信頼と被信頼のバランスが持続または変移することがもたらす長期的な心理的影響を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は上司と部下の各信頼と被信頼(信頼されていると思うこと)による長期的な心理的影響を明らかにすることである。 本研究では,2019年10月から2020年10月にわたり,2か月間隔で7回のインターネット調査を実施した。その結果,双方向信頼タイプ(信頼と被信頼が両方高いタイプ)が非信頼タイプ(信頼と被信頼が両方低いタイプ)よりもストレスや内発的動機づけ,勤続意思,組織自尊感情,絆のネガティブな効用をポジティブに評価した。 さらに,上司と部下ともに,信頼が内発的動機づけを高め,被信頼が内発的動機づけや組織自尊感情,絆のネガティブな効用を高めることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上司と部下ともに,信頼と被信頼の両方が高い双方向信頼の持続が,様々な面で長期的な心理的効果をもたらすことを実証したことは意義深いといえる。 また,追加分析の結果,被信頼が内発的動機づけや組織自尊感情を高めることもわかった。このことを踏まえると,職場で相手から信頼されていると思えるようなフィードバックや働きかけを意識することで,相手の仕事への取り組み姿勢や組織での居場所感の向上に役立てられる可能性がある。 ただし,被信頼が絆のネガティブな効用を高めることもわかった。これより,被信頼は信頼とともに高める必要があり,被信頼のみを高めると相手との関係のわずらわしさを強め,信頼関係を損ねる可能性がある。
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