研究課題/領域番号 |
19K14377
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
宮崎 由樹 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (70600873)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 身体拡張 / ウェアラブルロボット / 物体化 / 非人間的認知 / 認知バイアス / ウェアラブルデバイス / ロボット / 非人間化 / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
(1)問題意識 近年,ウェアラブルロボットの試験的導入が急速に進みつつある。ウェアラブルロボット装用時のように人間と機械が一体化したとき,その対象 (装用者) は,他者から「人間」として認識されるのだろうか,それとも「機械 (物体)」として認識されるのだろうか? (2)目的 本研究の目的は,ウェアラブルロボットを装用することで,装用者に対する非人間的認知が生起するか (装用者が物体化されて認識されるか) を検証することである。 (3)発展性 本研究は,ウェアラブルロボットの利用浸透にともなう,将来予想される新しい種類の認知バイアス・偏見生起に関する先駆的な基礎研究となりうる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,パワーアシストスーツ (機械) を装用することによって,装用者がロボットや機械のように物体として認知されるか検証することだった。本研究の結果,パワーアシストスーツを装用した作業者は,見た目の機械らしさが高く評価されるだけではなく,疲れや痛みのような負の感情を経験しくい対象と認識されることが示された。また,温かみのような対人的な印象も低く評価された。これらの結果は,作業者の性別に関係なく観測された。また,日本人の参加者だけではなく,イギリス人やアメリカ人の参加者を対象とした実験でも概ね同様の結果が観測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
介護福祉の現場や,肉体労働を伴う作業現場で,身体的負荷軽減やケガ防止等を目的として,パワーアシストスーツの導入がはじまっている。その導入は,筋・骨格系障害のリスクの低減につながることも示されており (de Looze et al., 2016),今後ますます様々な文脈に広がることが見込まれる。パワーアシストスーツ装用の心理的副作用を明らかにした本研究は,パワーアシストスーツの利用拡大にともなう,将来予想される新しい種類の認知バイアス・偏見に関する先駆的な基礎研究となりうる。
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