研究課題/領域番号 |
19K14378
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宇佐美 慧 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (20735394)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 縦断データ / 個人内関係 / 交差遅延パネルモデル / 周辺構造モデル / 構造ネストモデル / 測定誤差 / 相互関係 / 構造方程式モデリング / 因果推論 / 交絡変数 / クロスラグモデル / 交差遅延モデル / 共変数 / 個人内変化 / 潜在成長モデル / 決定木 |
研究開始時の研究の概要 |
小学生を対象に毎年実施して得た保健調査データのように、複数の個人から継続的に収集して得たデータを縦断データと呼ぶ。縦断データにより、変数(測定値)が時間的にどのように変化したかや、複数の変数間の変化の関係、更にはこれらに関する個人差・集団差の推測が可能になる。しかし、誤ったモデル選択や方法論の未整備等に起因するモデルの誤設定の影響により、不適切な結論を導いた研究事例が多く存在することが心理学や統計学の研究で近年示されてきた。本研究課題では、縦断データ分析に伴う様々なモデルの誤設定を取り上げ、その影響下でも高い推定精度を有する頑健な方法を確立するための研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究課題の成果は次の4点である。 (1)個人内関係の推測を目的としてRI-CLPMの普及が急速に進んでいる。疫学で提案された因果推論の枠組を援用して、交絡変数との線形的な関係性を含めたモデルの誤設定に対して頑健な推定法の開発を行い、研究成果が主要国際誌に採択された。(2)個人内変化の推測を一つの目的とした別の統計モデル(GCLM)の方法論的問題を示した論文が主要国際誌に採択された。(3)個人内関係を推測する目的で利用される様々な統計モデルやそれらの関係性をまとめた解説論文が国内誌に採択された。(4)(1)での方法に関する解説論文の執筆を行い、また測定誤差が測定に影響する場合への拡張を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
縦断データを用いた応用研究は年間で一万件以上世界で報告されており、中でも縦断的に測定された変数間の関係性の推測は主要なテーマである。本研究では、異なる研究領域や文脈を通してこれまで提案されてきた様々な統計モデル間の概念的・数理的関係性を整理して、特に個人内関係の推測上生じうる問題点や他のモデル設定の可能性を示した。また、交絡変数に対する線形性の仮定など統計モデル上生じうる誤設定に対して頑健かつ柔軟な個人内関係の推測方法を提案し、大規模縦断データへの適用例とともに、一定の時点数の下で十分な推定性能を有することを示した。
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