研究課題/領域番号 |
19K14384
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東海学院大学 (2020-2021) 神戸大学 (2019) |
研究代表者 |
池田 賢司 東海学院大学, 人間関係学部, 講師(移行) (30808332)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 動機づけ / 達成目標 / メタ認知的判断 / 学習判断 / 信念 / メタ認知 |
研究開始時の研究の概要 |
達成場面において,学習者は何らかの目標を持って学習を行う。達成目標理論では,達成目標の質的違いが学習過程に影響することが想定されている。特に,達成目標は学習者自身の能動的学習活動(自己制御学習)に影響することが示唆されている。自己制御学習では正確な学習判断が重要であり,もし学習判断を誤れば効果的な学習は実現しない。しかしながら,達成目標の学習判断への影響について検討した研究は極めて少なく,達成目標が学習判断にバイアスを生じさせることが明らかになっているものの,そのメカニズムの解明には至っていない。そこで本研究では,達成目標が学習判断にバイアスを生じさせるメカニズムについて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,達成目標が学習判断に影響を及ぼすメカニズムについて,達成目標に関する信念と学習への主観的努力の観点から検討を行った。その結果,遂行接近目標条件の学習前判断は,習得接近目標条件の学習前判断に比べ高かったことが示された。また,習得接近目標条件と遂行接近目標条件の学習判断の差は学習開始時から終了時まで維持さることが示された。さらに,多くの参加者が習得接近目標よりも遂行接近目標の方が学習に有用であると信じていることが示唆された。これらの結果は,学習経験よりも達成目標に関する信念が学習判断により寄与していることを示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
達成目標を含め,動機づけ的要因が学習判断に影響を及ぼす背景については,これまで十分な検討が行われてこなかった。そのため,本研究において達成目標が学習判断に影響を及ぼす背景として信念の存在を明らかにしたことで,達成目標がメタ認知に果たす役割について一定の示唆を与えることができた。また,達成目標に関する信念が必ずしも正しくない一方で,学習者が達成目標に関する信念に基づいた判断を行ってしまうことは,非効率な学習を導く一因になると考えられる。そのため,目標志向性に関する介入を行う際にはメタ認知の質的側面に注意を払う必要性がある。
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