研究課題/領域番号 |
19K14389
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
大塚 紫乃 江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 准教授 (30735684)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 類推 / 問題解決 / 児童 / 児童期 / 創造的思考 / 認知発達 / Unusual Uses Test |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、児童期の類推の発達について明らかにすることが目的である。 類推は、類似性に基づいて知識を引き移す認知的働きのことを指し、持っている知識を使って問題を解決する際にも用いられる。 本研究では小学生を対象として実験を行う。実験では、まず問題解決の方法が描かれた物語を提示し、次に、物語との類似性に着目すると解くことのできる問題を提示する。この課題に対し、どのような類似性に着目して、問題を解決するのか分析し、年齢による着目点の変化を明らかにする。 類推の能力は、知識を活用する能力とも関連する。類推の発達を明らかにすることで、子どもの活用力育成に寄与することが可能であると考える。
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研究成果の概要 |
既に持っている知識と、目の前の新しい問題の間の類似性を認識して、知識を引き移す認知的働きのことを類推という。 本研究では、児童期(小1と小3)の子どもを対象とし、類似性の認識の仕方が幼児期とは異なるのか、類推による問題解決ができるのか検証した。 研究の結果、小3は、部分的な類似性を見出し類推に用いることはできるが、完全な類推を行うことが難しいと示された。小1から小3の間で、着目する類似性の種類が発達的に変化し、小1では、見た目の類似性について言及するものがいたものの、小3では一切いなかった。児童期前期の間に、問題解決に関わる類似性に気づき、本質に着目する力がつくことが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
類推は、知識を引き移す際に必要な認知能力である。これまで幼児期の類推による問題解決の発達について知見が重ねられてきたが、今回、児童期までの発達を明らかにすることができた。 知識を応用する力の育成が求められる現代、子どもの類推の発達過程が明らかになることは、発達に合わせて教育を施すことにつながり、意義があると考える。 具体的には、幼児期から児童期の始まりの頃には、類推によって応用することが難しいため、見た目が似ている例を用いながら、応用を繰り返すことが重要である。また、児童期の中期の頃には、見た目ではなく、課題の本質の類似性に着目できるため、抽象的な課題に取り組む経験が重要になってくると考えられる。
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