研究課題/領域番号 |
19K14402
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
野崎 優樹 甲南大学, 文学部, 講師 (50801396)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 情動調整 / 情動コンピテンス / 社会情緒的能力 |
研究開始時の研究の概要 |
怒っている相手を宥める,悲しんでいる人を励ますなど,他の人がネガティブな感情を経験している時に,私たちはしばしばその人のネガティブな感情を和らげようとする。それでは,どのような方略を用いると,相手のネガティブな感情を効果的に和らげることができるのだろうか?この問いに答えるため,本研究では,相手のネガティブ感情の強さに着目し,心理学調査を通じて,ネガティブ感情が比較的弱い場合と強い場合とでそれぞれ効果的に働く方略と個人差要因の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,被調整者のネガティブ情動の強度に応じた,他者のネガティブな情動を効果的に調整可能な方略を明らかにすることであった。理論研究としては「他者の情動の調整」の概念の定義と心的モデルをまとめ,他者の情動を調整する方略を分類する基礎となる理論的枠組みを提案した。また,実証研究としては,オンライン掲示板上でのコミュニケーション内容を分析する調査を行った。その結果,相手に行動をアドバイスし,状況が変わるように提案する「問題解決」と,相手に別の見方を示し,考え方が変わるように提案する「再評価」は,被調整者のネガティブ情動が比較的弱い時に限り効果的であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,「自己の情動の調整」と「他者の情動の調整」の類似点と相違点を明らかにすることで,近年注目を集める「他者の情動の調整」研究の新たな進展に貢献したものである。さらに,近年,社会情緒的能力のトレーニングが教育現場や企業で行われているが,本研究は,トレーニングの基盤となる効果的な情動調整に関する理論的枠組みと実証的知見を新たに提供するものである。これにより,トレーニング内容の洗練という形で,社会的にも貢献しうる点に本研究の意義がある。
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