研究課題/領域番号 |
19K14408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 (2021-2022) 北海道大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
齋藤 暢一朗 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (90722091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ひきこもり / アタッチメント / 家族支援 / メンタライゼーション / 長期化 / オンライン / 80-50 / 心理構造 / プログラム / コーピング / 完璧主義傾向 / 愛着 / ポリヴェーガル理論 / 防衛反応 |
研究開始時の研究の概要 |
ひきこもりに代表されるように、支援を拒否したり、支援の動機付けが低い若者の増加への対策は喫緊の課題である。本研究では親子の潜在的な愛着関係の課題と、顕在的なひきこもり問題の対処の困難化という相互影響(愛着課題の二重負荷構造)として捉え直すことで、ひきこもり固有の問題構造へ介入していく。これまで筆者が作成した家族介入プログラムに、大人の愛着スタイルの修正アプローチを統合したプログラムを作成する。ひきこもりの介入プログラム内容を親子の愛着関係に適合させて実践することで、愛着課題の二重負荷構造に介入することができ、長期・高齢化するひきこもり問題に対する効果的な心理支援の構築が期待できる。
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研究実績の概要 |
ひきこもり者本人の年齢は、30代以下の若年層事例と、40代・50代以降の中高年層事例とで二極化している傾向がある。若年層事例においては、家族の本人に対する社会参加への思いは強い傾向にあるが、中高年齢層事例においては、必ずしも家族は本人に対して社会参加を積極的には求めない傾向もある。全国のひきこもり家族会に関する情報交流を通して得られた知見として、80-50問題と言われる家族会員が増えており、若年層事例の会員の定着が課題となっている場合もあることが認められた。すなわち、ひきこもり支援においてはこうした当事者及び家族の年齢による二極化傾向を踏まえた対応が求められるようになってきていると言える。 こうした背景を踏まえ、今年度はこれまでの調査成果に基づいて、家族支援プログラムをメンタライゼーションの視点を取り入れて編成していった。心理教育がもたらすひきこもり家族への機能について再検討し、これまで取り入れていたコミュニケーションスキルに加えて、親自身のメンタライジングを回復することも目的に加えた。このことにより、プログラムで身に着けたコミュニケーションスキルをより機能的に用いることが期待される。 新型コロナウイルス等で対面実施が困難である課題を解決するため、プログラムをオンライン化することとした。オンライン化により、プログラム参加者の地理的、スケジュール的な障壁を解消することにもつながり、本研究成果をより多くの対象者に届けることにつながると期待される。心理教育プログラムについては、オンデマンド化することで、受講の利便性を高めることとした。また、参加者に対する個別支援については、心理教育プログラムを実践するための補完及び強化することが狙いとなるが、個別支援もオンラインで行うこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究全体の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインでの家族支援心理教育に加えて、オンラインでの個別サポートを組み合わせたプログラムを実施する予定。
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