研究課題/領域番号 |
19K14408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 (2021-2023) 北海道大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
齋藤 暢一朗 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (90722091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ひきこもり / 家族支援 / カウンセリング / アタッチメント / メンタライゼーション / 自己強化 / 葛藤 / オンラインプログラム / 家族相談 / 心理教育 / 想像する力 / 長期化 / オンライン / 80-50 / 心理構造 / プログラム / コーピング / 完璧主義傾向 / 愛着 / ポリヴェーガル理論 / 防衛反応 |
研究開始時の研究の概要 |
ひきこもりに代表されるように、支援を拒否したり、支援の動機付けが低い若者の増加への対策は喫緊の課題である。本研究では親子の潜在的な愛着関係の課題と、顕在的なひきこもり問題の対処の困難化という相互影響(愛着課題の二重負荷構造)として捉え直すことで、ひきこもり固有の問題構造へ介入していく。これまで筆者が作成した家族介入プログラムに、大人の愛着スタイルの修正アプローチを統合したプログラムを作成する。ひきこもりの介入プログラム内容を親子の愛着関係に適合させて実践することで、愛着課題の二重負荷構造に介入することができ、長期・高齢化するひきこもり問題に対する効果的な心理支援の構築が期待できる。
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研究成果の概要 |
ひきこもりの家族を対象にしたオンデマンド形式で受講可能なオンラインの心理教育プログラムを作成した。アタッチメントの視点を取り入れ、家族の想像する力を発揮していくことで家族を支援するプログラム内容とした。次に、プログラムの効果を検証し、ひきこもりに関連する行動が改善されること、メンタライゼーションの変化とひきこもり関連行動の改善に相関すること等が示された。 また、ひきこもりの家族における想像する力について調査し、ひきこもりの初期の動揺や将来への不安は親のメンタライズ機能が損ねてしまうこと、ひきこもりの場合は内面を想像する手がかりが少ないため、本人の辛さや苦しさを想像しにくいことなどが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で作成した家族サポートプログラムの検証からは、ひきこもりにアタッチメントやメンタライゼーションの視点を取り入れることで、家族の子ども理解や自己理解を深めることができる可能性が示唆された。また、家族の想像する力の回復が、家族の問題解決機能を高める可能性が示唆された。このことを踏まえ、従来のコンサルテーション型の家族支援に加えて、個別的なカウンセリングを併用する意義が提示された。 ひきこもりの家族を対象に実施した調査結果からは、家族がひきこもる本人の内面を想像するためには、想像するための手掛かりや見通しが必要であることが考えられた。今後のさらなる実践や調査を通した知見の蓄積が求められる。
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