研究課題/領域番号 |
19K14435
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
玉田 有 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (40813720)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | メランコリア / 内因性うつ病 / 精神運動障害 / 主観的症状 / CORE尺度 / 制止 / 焦燥 / 感情欠如感 / 抑うつ性妄想 / 当惑感 / 決断困難 / 異質性 / 病前性格 / 感情気質 / 評価尺度 / TEMPS-A / 神経症的傾向(neuroticism) / 精神病理学 / 診断基準 |
研究開始時の研究の概要 |
現在普及しているうつ病の診断基準は、米国が作成したDSM-5による大うつ病性障害の基準である。しかし大うつ病性障害は不均質な病態の集合であるという見解が広まり、比較的均質な臨床単位であるメランコリア(内因性うつ病)が再評価されている。メランコリアの診断法は確立しておらず、とくに軽症例は文化・社会的状況によって病像が変化するため、特徴の把握が困難である。本研究の目的は、伝統的精神病理学の知見を応用し、現代の日本におけるメランコリアを抽出する診断基準を作成することである。方法は、大うつ病性障害の患者群を対象に、現象学的特徴のデータ、気質特徴など自記式質問紙のデータを収集し、統計学的処理をおこなう。
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研究成果の概要 |
制止や焦燥といった精神運動障害(PMD)は、従来メランコリア(内因性うつ病)の中核的特徴とされ、唯一定量可能な症候である。本研究では、106名の大うつ病性障害の症例を対象として、客観的に観察されたPMDと、伝統的にメランコリアの特徴とされてきた主観的症状との関連を多変量解析によって検討した。その結果、1)感情欠如感、2)抑うつ性妄想、3)当惑感、4)決断困難、5)他人への攻撃性がない、という5つの症状学的特徴が、DSM-5のメランコリア基準の項目よりも、PMDと相関することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかになった、精神運動障害(PMD)と関連する5項目の主観的症状は、メランコリアを診断するための有用なクライテリアとなる可能性がある。また、PMDと電気けいれん療法の効果の関連は実証されているため、この5項目が電気けいれん療法の良好な反応を予測する指標になる可能性も示唆された。
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