研究課題/領域番号 |
19K14460
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山本 竜也 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 講師 (70802924)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 行動活性化 / アンヘドニア / うつ症状 / うつ病 / 認知行動療法 / 抑うつ |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病では、抑うつ気分や興味・喜びの減退が中核的な症状となり、それに付随して様々な症状が認められる。また、うつ病は地域住民中に最も頻繁にみられる精神障害であり、精神保健上の大きな課題でもある。抑うつ症状の中でも、興味・喜びの減退は、自殺念慮と深く関わっているだけでなく、うつ病の第一選択薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬の治療反応性に悪影響を及ぼす。したがって、抑うつ症状の中でもアンヘドニア症状に焦点を当てた治療技法によって、抑うつ患者の回復が促進される可能性がある。本研究では、行動活性化がアンヘドニア症状を改善するかをいくつかの実証的な研究を通して検討する。
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研究実績の概要 |
申請書に記載した2020年度の計画では、2019年度に行った研究結果の公表、および、アンヘドニア症状を有する個人に対する行動活性化を対面により行い、アンヘドニア症状が改善するかを検討することとなっていた。 研究成果の公表に関して、日本認知・行動療法学会第46回大会(Web開催、2020年9月11日~10月11日)において、一般演題として発表した。オンライン開催ではあったものの、3時点データに対して本研究で採用したランダム切片交差遅延モデルへの質問(統計的解析手法としての新奇性)、認知行動療法においてアンヘドニア症状をどのようにとらえるのかといった質問をはじめとして、有意義な質問が比較的多く寄せられ、それらに対する回答を通じて研究に対する理解を深めることができた。このように、一般演題に対して質問が複数なされたことは、本研究が認知行動療法の領域において、興味・関心を引く重要なテーマであったことがうかがえる。 研究の遂行に関しては、2019年10月に所属機関が中京大学から名古屋市立大学に変更となったために、まずは当初の計画通りの倫理申請を名古屋市立大学において行った。しかしながら、その直後よりCOVID-19のパンデミックが広がり、当初の研究計画を遂行することが極めて難しい状況となった。状況を見極めながら研究の遂行可能性を模索したが、COVID-19の猛威は広がり続け、結果的に2020年度の研究の遂行自体をあきらめざるを得なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に計画していた研究は、COVID-19による影響を大きく受け、ヒトを対象とした研究そのものを行うことができなかった。したがって、「(3)やや遅れている」と判断した。なお、2021年度以降もCOVID-19の影響を引き続き受けると考えられるために、行動活性化の提供を対面ではなく、オンラインを中心としたものに構成しなおすなどの必要がある。それに伴い、倫理審査(変更)を受ける必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
先述の通り、2021年度以降もCOVID-19の影響を受けながら研究を遂行しなければならない。したがって、行動活性化の提供方法を対面によるものからオンラインによるものに再構成しなおしたうえで、改めて倫理申請を行い、研究協力者のリクルーティングを進めていく必要がある。社会情勢などの不確定な要因も大きく、今後がなかなか見通せない中での研究遂行であるが、国民の心の健康に資するような研究を遂行したいと思う。
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