研究課題/領域番号 |
19K14479
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
中島 悠介 中央大学, 文学部, 特別研究員(PD) (50778686)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 視覚 / 発達 / 乳児 / 逆向マスキング / フィードバック処理 / 意識的知覚 / マスキング / 意識 / フィードバック / 実験心理学 / 視覚発達 |
研究開始時の研究の概要 |
視覚入力が意識にのぼるためには,低次から高次の脳領域へ情報が流れるフィードフォワード処理だけでなく,逆の流れであるフィードバック処理が必要だとされている。しかし,乳児においてフィードバック視覚処理を詳細に検討した研究はこれまで殆どない。本研究では,フィードバック処理が関わるとされるオブジェクト置き換えマスキング現象を用いて,フィードバック視覚処理の初期発達過程を詳細に検討し,視覚的意識の発達の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
解剖学的研究により,視覚皮質のフィードバック結合はフィードフォワード結合より発達が遅く,発達初期ではフィードバック処理が未発達である可能性が示唆されている。本研究は,この可能性を検証するため,フィードバック処理を妨害すると考えられている逆向マスキングを用いて,生後3-8ヶ月児におけるフィードバック視覚処理の発達を検討した。その結果,7-8ヶ月児では逆向マスキングが生じたが,3-6ヶ月児では生じず,高月齢児がマスキングによって知覚できない刺激を低月齢児が知覚できることを示した。この結果は,発達初期では,フィードバック処理が未発達で,フィードフォワード主体で視覚処理を行っていることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外界を認識するための視覚機能は,生まれてから1歳までの間に急激に発達することが知られているが,その発達の背景にあるメカニズムは未だ明確になっていない。本研究は,フィードバック処理と呼ばれる脳の高次領域から低次領域へ情報が送られる,通常とは逆の流れの視覚処理が生後半年頃に発達する可能性を示した。フィードバック処理は,不明瞭であったり,一部が欠けていたりするような曖昧な視覚像を安定して知覚するために必要であることがわかっている。本研究により,生後の発達期において,外界を安定的に知覚できるようになるための背景メカニズムの一端が明らかになった。
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