研究課題/領域番号 |
19K14481
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
|
研究機関 | 東海大学 (2021-2022) 立教大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
川越 敏和 東海大学, 文理融合学部, 特任講師 (70786079)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | マインドワンダリング / 実行機能 / モチベーション / 特性・状態 / Trait-State / アパシー |
研究開始時の研究の概要 |
いわゆる「やる気」には、「アメとムチ」により操作される状態的なものと個人特性としてのやる気(TM)が存在する。本研究は、個人特性であるTMと何か課題を行っている最中にぼんやりと他のことを考えてしまう心理現象である「マインドワンダリング (MW)」の関係について調査するものである。TMとMWの関係についてはこれまで報告がなく、この関係性を質の高いエビデンスにより実証することは、まだ未解明な点が多いMWの理解に直結する。さらにこの関係に基づいた介入により、TMの病的低下である臨床症状の改善やMWによるリスク (課題パフォーマンスの低下や不注意による事故など) を解消する効果について実証する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、「やる気」と「マインドワンダリング (mind wandering: MW)」の関係について、複数の実験によって多角的に理解し応用することを目指すものである。 目的1では、横断的にやる気とMWの関連を証明することを目指していた。調査の結果、やる気とMWは実行機能を介して関係しあっていることが明らかになり、その成果をまとめた論文が国際誌Scientific Reportsに掲載された。 目的2では、MWの安定性について検証することを目的としていた。質問紙で調査するMWはある程度一定であることを見出した。 認知的介入によるMWの操作を目指した目的3と4については、新型コロナウイルス感染症の影響に加えて代表者の異動等も重なり実施できなかった。代替として、非対面で実施できるオンライン調査・実験を用いた研究を行った。本課題の主である目的1を深めるため、まず目的1においてMWにおける重要性が明らかになった実行機能を簡便に調査する質問紙指標を作成した。その指標の妥当性を調査するため、オンライン実験として実行機能を測定する調査を行った。これらの成果は現在国際誌に投稿し現時点で査読中である。さらに、目的2で判明したMWの安定性について、実験的手法でもそれを調べるべく計画草案を作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終的に介入研究を実施できなかったが、代替研究として行った質問紙作成やオンライン実験研究は、当該分野において有用な知見を提供するものになった。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度行った研究の過程で、質問紙で調べた心理概念(マインドワンダリング傾向や実行機能など)の程度は行動課題で調べたものとそこまで強く相関しないことを見出した。この乖離は基礎心理学者にとっては一般的ではないが、近年興味を集めているようである (Toplak et al., 2013)。この関係性に着目し、MWにおいてもこの関係性が成り立つか、またその要因等について明らかにすることを目指す。
|