研究課題/領域番号 |
19K14485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2021) 同志社大学 (2019) |
研究代表者 |
結城 笙子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60828309)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ラット / ヒト / 確信度 / メタ認知 / 行動の適応制御 / fMRI / 多細胞記録 |
研究開始時の研究の概要 |
メタ認知とは、自身の内的状態を監視した結果を利用した認知・行動の制御であり、その機能は外部環境のみに依存しない柔軟で効率的な制御を可能にすることである。本研究は、比較認知科学的アプローチによってヒトと動物のメタ認知研究を統合することで、メタ認知の監視と制御過程の神経基盤を分離し、各過程を精査した上で両者の関係性を明らかにすることで、メタ認知の統合的なシステム的理解を目指す。
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研究成果の概要 |
メタ認知とは、自身の内的な状態について監視し、その結果に基づいて認知・行動を制御するプロセスである。本研究の目的は、これまでヒト成人と動物や乳幼児で独立に進められてきたメタ認知の監視・制御過程の研究を、比較認知科学的アプローチによって統合することで、そのメカニズムをより詳細に解明することである。研究の結果、ヒト成人に比較認知科学的なメタ認知課題を適用することで課題に反映されるメタ認知の過程が操作可能であることを示唆する結果を得た。さらに反応潜時の解析から、制御過程は確信度以外の複数の要因による影響を受けることを示唆する結果を得た。これらの結果は、メタ認知のメカニズムの理解に貢献するだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、メタ認知の処理段階である監視過程と制御過程は一連の過程として捉えられがちであった。しかし、ヒト成人ですら実験場面ではメタ認知を利用した行動最適化を示さないこともある(Yuki et al., 2019, Anim Behav & Cogn)など、近年メタ認知の監視・制御過程は必ずしも連動しないことが明らかになりつつある。本研究で開発した、教示によって制御過程の関与を操作する実験プロトコルは、両過程の関係性を研究する端緒となる。また、実験結果は制御過程では確信度以外の外的な要因が多く参照されることを示唆するが、この知見は両過程をつなげるメカニズムの理解に貢献するだろう。
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