研究課題/領域番号 |
19K14491
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
|
研究機関 | 筑波大学 (2021-2022) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
仲田 真理子 筑波大学, 人間系, 助教 (00792409)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 社会行動 / 神経科学 / 行動神経科学 / 集団 |
研究開始時の研究の概要 |
社会的アイデンティティー、すなわち集団に所属しているという感覚やそれに伴う行動の変化は伝統的にヒト特有であると考えられてきた。しかし、心的機能の脳内メカニズムを解明するうえで、電気的な脳内情報伝達過程や詳細な分子生物学的メカニズムを解析するには、ヒトを対象にした非侵襲的な実験だけでなく動物モデルの開発が必要である。 本研究ではヒトと同じく集団で生活を送るマウスを用いて、人為的につくられた集団での生活や集団同士のインタラクションが、脳と行動にどのような変化を与えるかを解析し、集団への所属という観点から、社会的アイデンティティーの形成と発露に関わる脳内メカニズムを解析する。
|
研究成果の概要 |
集団生活における社会的アイデンティティは、個体の生存・生殖を向上させるが、内集団バイアスや対立などの問題も引き起こす。社会的アイデンティティに関する生物学的背景の解明が必要である。そこで、本研究課題では、マウスを用いて集団の形成と維持に関与する脳内現象を明らかにするため、げっ歯類向けのモデル課題を作成した。我々は、マウスに集団でオペラント学習課題に取り組ませ、集団形成の過程を観察できる行動実験パラダイム「綱引きタスク」を作ることに成功した。ほとんどのグループは数日で綱引きタスクを習得し、報酬を獲得することができた。研究はまだ進行中であり、さらなる結果の解析と考察が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究計画では、マウスを用いた集団で行うオペラント学習課題を開発し、集団の形成や維持の過程を観察できるモデル実験系を作ることで、集団への所属に関する生物学的基盤を明らかにすることを試みた。集団の一員であるという感覚や、集団の一員になることで起こる行動変容は、いじめや差別を含む様々な社会問題に関連している。本研究の成果が広く社会に知られることは、それらの問題を解決する生物学的手段の開発に貢献しうる。
|