研究課題/領域番号 |
19K14494
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
跡部 発 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50837284)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | Jacquet加群 / Aubert双対 / 局所Aパケット / Harder予想 / 局所新形式 / 基本補題 / ラダー表現 / Arthur型表現 / 新形式 / 既約表現の微分 / 局所A-パケット / 宮脇リフト / Arthur分類 / ラングランズ対応 / Aパケット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、宮脇リフトと呼ばれる保型形式を構成し、調べることを目的とする。保型形式とは豊富な対称性を持つ関数であり、一般に保型形式を構成することは難解な問題である。宮脇リフトとは、より高次元に定義される小さい保型形式を制限することによって得られる保型形式である。宮脇リフトの研究は最も低次元の時に池田氏により始められたが、本研究では高次元化を目指す。 また、宮脇リフトにおける局所理論の改築も行う。局所理論における最も低次元の場合は申請者によって得られた。本研究では、それを高次元化し、その性質を調べる。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は保型表現の分類と構成である。保型表現とはモジュラー形式を一般化し、より扱いやすくした対象である。特に本研究では、Arthurの重複度公式とその周辺についての知見を深めた。保型表現を具体的に構成する少ない方法の一つにリフティングがあるが、Arthurの重複度公式とはさまざまなリフティングの存在定理を可能な限り一般化したものである。特に、この公式に出てくるうちの最も謎に満ちた対象である局所Aパケットについて、明示的かつ実行可能な構成法を与えたことが本研究の最大の成果である。 また、リフティングの応用として、モジュラー形式の合同問題であるHarder予想の新しい具体例を与えた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モジュラー形式は豊富な対称性を持つ関数であり、その最も典型的な例は志村・谷山予想により、暗号理論でも活躍する楕円曲線と対応している。この対応によって、フェルマーの最終定理が証明されたのは有名である。本研究の目的はモジュラー形式やその一般化である保型表現を分類・構成することである。 保型表現の分類には、アーサーの重複度公式と呼ばれるものが存在する。しかし本研究の前には、この公式は応用可能な代物ではなかった。本研究において、この公式を詳しく調べることで、多くの応用が得られるところまで辿り着いた。この研究は将来に難解な暗号理論を構築する際に役に立つかもしれない。
|