研究課題/領域番号 |
19K14505
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東邦大学 (2022) 東京大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
土谷 昭善 東邦大学, 理学部, 講師 (30836953)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 格子凸多面体 / δ多項式 / γ非負性 / 反射的凸多面体 / 正規凸多面体 / 正規性 / Ehrhart多項式 / unimodal性 / γ-positive性 / real-rooted性 / トーリックイデアル / グレブナー基底 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,格子凸多面体の組合せ論的不変量であるδ多項式を組合せ論的及び代数的手法を用いて調べることを目的としている.特に,可換代数や代数幾何と繋がりが深い反射的凸多面体に注目する.具体的な研究計画としては,(1) regular unimoduar triangulation (RUT)を持たない正規反射的凸多面体,(2) flag RUTを持つ反射的凸多面体,(3) 非特異反射的凸多面体の3つの多面体に関して,それぞれのδ多項式の性質を調べ,正規反射的凸多面体のδ多項式はunimodalであることと,flag RUTを持つ反射的凸多面体のδ多項式はγ-positiveであることを示す.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は正規反射的凸多面体の数え上げに関する普遍量であるδ多項式の性質を調べることである.特に,γ非負性と呼ばれる,単峰性と実根性の中間の性質に焦点を当てて研究を行った.本研究の主な研究成果は(1)B型対称辺凸多面体の構成および,そのδ多項式の研究,(2)豊穣順序凸多面体と豊穣鎖凸多面体の構成とそのδ多項式の研究,(3)局所的アンチブロッキング凸多面体のδ多項式の研究,(4)対称辺凸多面体のδ多項式の研究である. (1)と(2)では特にそのδ多項式がγ非負となることを示し,(3)と(4)では大部分でγ非負となることを示し,さらにγ非負に関する予想を提唱した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数え上げに関連する多項式や数列の研究は古典的な組合せ論の問題意識であるが,特に多項式が回文的,つまり係数の列が対称,となるときは単峰性より強い性質であるγ非負性の研究が最近注目を集めている.格子凸多面体のδ多項式のγ非負性に関する研究はこれまでほとんどなく,今回の研究において,多くのγ非負なδ多項式を持つ格子凸多面体を構成でき,今後のγ非負性に関する研究の礎ができた.またいくつかの予想を提唱したところ,国内外で取り組む研究者が出てくるなど,格子凸多面体論の研究の方向性を与えることに成功し,今後の発展が期待できる.
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