研究課題/領域番号 |
19K14506
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2023) 神戸大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
光明 新 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (90760976)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | モノドロミー保存変形 / 接続のモジュライ理論 / ベクトル束のモジュライ空間 / 見かけの特異点 / 不確定特異点 / 曲面のHilbert概形 / 不確定ガルニエ系 / 代数解 / シンプレクティック形式 / モジュライ / 可積分系 / モジュライ空間 / 接続 / 不確定接続 / パンルヴェ方程式 / シンプレクティック構造 / ガルニエ系 / ハミルトニアン / パンルヴェVI型方程式 / 基本群の表現 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, パンルヴェVI型方程式やガルニエ系と呼ばれる微分方程式を扱う. これらの方程式は, 確定特異点をもつ射影直線上の2階線形常微分方程式のモノドロミー保存変形を記述する方程式である. これらの方程式のパラメータと初期値を特殊にとることにより, その初期値問題の解は代数的になることがある. これらの代数解は多くの数学的構造(例えば, フロベニウス多様体, 正多面体群, グロタンディークの子供の絵など)と関係し, 様々な方面から研究されてきた. 本研究の目的は, ガルニエ系の代数解を新たに見つけること, またそれぞれの代数解の背後にある幾何学的構造を調べることである.
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研究成果の概要 |
本研究では, ある種のモノドロミー保存変形を記述する微分方程式であるガルニエ系の代数解の研究を進めてきた. まずGirand氏のガルニエ系の代数解の研究の一般化を行なった. その後不確定ガルニエ系と呼ばれるクラスについて, DiarraとLorayによる代数解の分類理論により代数解を持つとわかっていた, ある種の不確定ガルニエ系について実際にその代数解を求める研究を行なった. この代数解を求めるために, 不確定特異点を許す接続のモノドロミー保存変形を具体的に記述するための見かけの特異点の理論を整備した. その結果, 実際にその不確定ガルニエ系の代 数解を求めることができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パンルヴェ方程式は19世紀最後の年に発見された非線型常微分方程式である. この方程式は数理物理への応用が見つかって以降, 様々な分野の多くの研究者によって研究されてきた. パンルヴェ方程式の特殊解を求めるという問題はパンルヴェ方程式の研究では基本的であり, これまでに多くの数学者・数理物理学者によって取り組まれた. 本研究ではパンルヴェ方程式の仲間であるガルニエ系についての特殊解について研究してきた. ガルニエ系はパンルヴェ方程式に比べまだわかっていないことが多く, 本研究はガルニエ系の特殊解の研究に新たな進展をもたらしたとともに, 得た特殊解を用いたガルニエ系の研究の展開が期待される.
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