研究課題/領域番号 |
19K14537
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 鳴門教育大学 (2020-2023) 大阪市立大学 (2019) |
研究代表者 |
山中 仁 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90725011)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 同変剛性 / トーリック多様体 / グラフ同変コホモロジー / Zariskiスペクトラム / 再構成アルゴリズム / GKM理論 / Schubert多様体 / 一般トーラス軌道閉包 / Poincare多項式 / parindromicity / 同変コホモロジー / Kazhdan-Lusztig多項式 / GKMグラフ / 同変コホモロジー剛性 / 同変全Chern類 / トーラスグラフ / 円周角の定理 / 接弦定理 / トーラス作用 / トーラス同変コホモロジー / GKM多様体 / 不変Morse函数 |
研究開始時の研究の概要 |
「次元」という量が「データを無駄なく表すのに必要な変数の最小数」を表すことから,4次元以上の図形は科学の諸分野にごく普通に現れる.
本研究では,高次元の図形を対称性の観点から調べる.地球の表面を球面と思って地軸の周りに回転させても,地球自体は同じ位置にある(各地域の位置は変わるが).これを「球面の回転対称性」という.このとき,北極と南極だけは動かないが,「変換群論」の重要な知見として,このような「不動点」の周りの情報から図形の性質が読み取れることが知られている.
「GKM理論」は前世紀の終わりに現れ,上の事を「同変コホモロジー」の観点から精密化している.本研究ではこの理論の深化・応用を行う.
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研究実績の概要 |
期間全体において,グラフ同変コホモロジーを軸に研究を行った。グラフ同変コホモロジーは抽象GKMグラフから定義される可換代数であり,トーリック多様体(toric manifold)の場合には非特異完備扇と等価なデータである。従って,トーリック幾何で知られている定理をGKM理論の枠組みに一般化することは自然な問題意識である一方,GKMグラフが非常に広い範囲の対象を見ていることから,実際に何が一般化できそうなのかは非自明である。例えば,同変コホモロジーの多項式環上の自由性に関するGuillemin-Zaraの予想は20年以上前に立てられたものであるが複素係数に限っても今だ未解決であるのに対し,トーリックの枠組みでは整係数のレベルでの成立が遥か以前より知られている。 本研究課題では,同変剛性と呼ばれる現象がGKMの枠組みでも成立することを見出し,さらに,符号不定性を同変全Chern類を用いて解消できることを明らかにした。これは任意のGKMグラフについて成立している事柄であり,前段で述べた問題意識の一端を解明したものになっている。 次の目標として,同変コホモロジーをZariskiスペクトラムの観点から見たときに一般にどのようなことが成り立つと期待されるか,その模索を行った。同変剛性の観点からすれば,次数付けからくるG_m作用や多項式環のZariskiスペクトラムへの射の言葉を用いて,同変剛性定理を函手的な再構成定理にまで精密化できそうであるが,この点については一般的な予想を立てる段階には至っておらず,予想の定式化が今後の課題として残された。
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