研究課題/領域番号 |
19K14567
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 仁 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (40813001)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 半線形熱方程式 / fast diffusion方程式 / 多孔質媒体方程式 / 特異解 / 臨界指数 / 可解性 / 山辺流 / 初期値境界値問題 / Hardyポテンシャル / 藤田型方程式 / 多孔質媒体型方程式 / 高次元特異集合 / 時間全域解 / Fast diffusion equation / 特異点 / 非斉次 / 放物型方程式 / 偏微分方程式 / 非線形解析 / 特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は放物型方程式の解が動的な特異性を保持するためのメカニズムを解明し,特異解の構造を理解することである.近年,半線形熱方程式に対し動的特異点を持つ解(時間依存して動く1点に特異性を保持する解)が構成され,特異解の分類も含めて様々な進展があった.しかし多孔質媒体型方程式,ポテンシャル付き熱方程式,半線形熱方程式の連立系といった放物型方程式に対しては分かっていないことが多々ある.本研究においてはこれらの方程式を高次元特異集合も含めて扱い,動的な特異性を持つ解の分類と構成を行う.そして,個別の問題に共通する特異性保持メカニズムを抽出することで統一的視点を探る.
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研究成果の概要 |
非線形放物型偏微分方程式の典型例の一つである半線形熱方程式に対し,特異点の位置が時間依存して動いていくような解(動的特異点を持つ解)を構成し,その解の特異点近傍での挙動を特定した.さらに,特異性がどのように失われるかという観点から初期値問題や初期値境界値問題を考察し,解が存在するための精密な条件を与えた.また,fast diffusion方程式と呼ばれる非線形拡散を伴う放物型方程式に対しては,蛇行特異性や異方的特異性といったこれまでに知られていなかった特異解を構成した.加えて,同方程式における特異性の消失現象と,対応する幾何学流における完備性の消失との関連を見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
偏微分方程式論における解の特異性はこれまで盛んに研究されてきた.しかし,特異性を保持する解や,その位置が時間依存して動くようなものはあまり扱われてこなかった.本研究においては非線形放物型偏微分方程式の典型例に対し,ある種の臨界的状況において特異解を構成し解析するとともに幾何との関連も得ている.それゆえ,特異解の研究を大きく進展させ,さらに広がりを与えたという学術的意義がある.
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