研究課題/領域番号 |
19K14571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 広島大学 (2020-2022) 愛媛大学 (2019) |
研究代表者 |
橋詰 雅斗 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (20836712)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Trudinger-Moser不等式 / Sobolev不等式 / 臨界点 / 一意性 / 最良定数 / 変分問題 / 非線形楕円型方程式 / コンパクト性 |
研究開始時の研究の概要 |
Trudinger-Moser不等式に関連する変分問題、楕円型方程式、Trudinger-Moser型汎関数に関するプロファイル分解の研究を行う。変分問題に関しては、最大化関数の存在・非存在を分ける境界の本質的な条件を明らかにする。変分問題の研究に関連して、楕円型方程式の研究も行い、方程式の可解性の研究及び解の定性的研究を行う。Trudinger-Moser汎関数のコンパクト性の観点から、非コンパクトの要因となる性質を明らかにするプロファイル分解の研究も行う。
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研究実績の概要 |
Trudinger-Moser不等式の性質をSobolev不等式の性質の連続極限としてみることができるか、という研究を行った。Sobolev不等式およびTrudinger-Moser不等式はそれぞれOrlicz 空間への埋め込みの意味で最良であるが、一方でSobolev不等式において可積分指数に関する極限操作を施してもTrudinger-Moser不等式は得られないことが知られている。今回の研究ではSobolev不等式に適当な定数倍と低階項を加えることにより、Trudinger-Moser不等式と関係の深い幾つかの性質を持つ臨界Sobolev型汎関数を構築した。この汎関数はAlvino不等式、またはradial lemmaと呼ばれる不等式をもとに構築した汎関数である。可積分指数に関する極限操作に関して、汎関数自身の極限はTrudinger-Moser汎関数になり、その上汎関数の集中レベルにおいてもTrudinger-Moser汎関数の集中レベルに収束するような臨界Sobolev型の汎関数を構成した。加えてこの構成した汎関数の最大化問題における最良定数に関して、下半連続性が成り立つことも示した。 今回得られた研究結果に関して、国内、国外での研究集会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨界型不等式と劣臨界型不等式を繋ぐという観点から、今回得られた研究結果は今後の研究の基盤となるものだと考える。さらなる発展的な結果が得られれば、Trudinger-Moser不等式の性質についてより多角的な視点からの解釈が得られ、本質的な部分が明らかになるのではないかと考えている。今後行っていくべき研究も多く存在することから、研究は概ね順調に進展しているとしてよいと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、今回得られた結果を土台とした数多くある発展問題を考察する。構成した汎関数はまだ明らかになっていない性質が多くあるため、その解決を目標に研究を行っていく。
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