研究課題/領域番号 |
19K14583
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松本 直己 慶應義塾大学, デジタルメディア・コンテンツ統合研究センター(日吉), 特任助教 (50747243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | グラフ理論 / 生成定理 / 局所変形 / アルゴリズム / 三角形分割 / 局所連結グラフ / facial achromatic number / 偶三角形分割 / 組合せゲーム / グラフ彩色 / 既約グラフ / 列挙アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
グラフの族に対し,「その族に含まれる有限個のグラフから,ある変形操作を繰り返し適用することによって,その族内の任意のグラフが得られる」という形の命題のことをグラフの生成定理と呼び,これまでに様々なグラフの族に対して,多くのバリエーションが研究されてきた.一方で,生成定理はグラフ列挙という観点で見たとき,1つのグラフを生成する過程が無数に存在し,多くの無駄を含む.その結果,上記の生成定理は,実用的に考えると一般には使い物にならない.したがって,本研究では,生成定理のバリエーションを増やすだけではなく,各過程でオペレーションの優先度を考慮した生成定理の創成を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,新たなグラフクラスにおける生成定理の創成およびその応用を中心に研究を行った.これまでに三角形分割と呼ばれるグラフクラスにおいて,様々な条件を満たす三角形分割の生成定理が創成されてきた.本研究課題では,これまでに知られていなかった新しい性質を満たす三角形分割の生成定理を創成することに成功した.また,その得られた生成定理を応用し,二つの三角形分割に特定の局所変形を繰り返し適用することによって同型に出来ることも示した.加えて,これまでに知られていた生成定理を応用し,グラフの不変量などの研究も行い,多くの成果を挙げた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回,新しいグラフクラスの生成定理の創成と生成定理の応用を中心に多くの研究成果を得た.グラフの生成定理は単なるグラフの生成手法としてだけでなく,生成定理を逆に用いることで,ある命題を証明するための数学的帰納法の道具となり,素朴にグラフ構造を記述する方法を超越し,非常に強力な手段となる.実際,今回新しく得られた生成定理も局所変形による同値性を示すために応用されている.今回得られた生成定理および生成定理の応用によって,新しい研究視点や多くの興味深い定理が得られ,グラフ理論の研究に貢献できたといえる.
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