研究課題/領域番号 |
19K14590
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
剱持 智哉 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80824664)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Stokes方程式 / 有限要素法 / 不連続Galerkin法 / 最大正則性 / 非線形偏微分方程式 / 構造保存数値解法 / 線形偏微分方程式 / 数値解析 / 応用数学 / 楕円型方程式 / 放物型方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
さまざまな自然現象は, 偏微分方程式と呼ばれる方程式で記述される. 多くの場合, 偏微分方程式の解を2次方程式の解の公式のように陽的に表示することは困難であることが知られている. したがって, 現象の理解のためにはコンピュータによる数値シミュレーションが必須である. シミュレーションの手法や結果を数学的に解析する分野のことを数値解析学と呼ぶ. 本研究では, 代表的な数値計算手法である有限要素法に対する数値解析を行う.
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研究実績の概要 |
今年度は,なめらかな領域における非定常Stokes方程式,および抽象発展方程式に対する不連続Galerkin法による時間離散化について研究し,一定の成果を得た. Stokes方程式とは,流体力学に現れる偏微分方程式であり,Navier--Stokes方程式の線形化問題として知られている.この方程式を有限要素法によって離散化した問題に対し,リゾルベント評価と最大正則性と呼ばれる不等式評価について研究した.これらの不等式は,これまで知られていなかった評価である.これらの成果は,対応する非線形問題であるNavier--Stokes方程式に対する数値解析へ応用できると期待される.得られた成果は論文として投稿し,現在査読中である. 不連続Galerkin法による時間離散化法とは,時間発展する偏微分方程式に対して,時間変数に関するGalerkin法に基づく離散化手法であり,高次精度化が容易な手法である.特に,放物型方程式に対して適用されることが多い手法である.この手法に対して,最大値ノルムによる誤差評価と,離散版の最大正則性の不等式評価を得た.類似の評価はこれまでにも知られていたが,我々が得た評価は,これまで知られていた評価よりもよりシャープな (かつbest possibleな) 評価となっている.今後,非線形偏微分方程式に対する数値解析へ応用できると期待される.この成果については現在論文執筆中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Stokes方程式に対する研究成果は, これまで知られていなかった全く新しい成果である. それだけでなく, 今後, Navier--Stokes方程式に対する数値解析に関して, 新しい研究の方向性を拓くことができると期待される成果である. 更に, 数値解析だけでなく, Navier--Stokes方程式そのものの理論的な研究にも役立つと期待される. 不連続Galerkin法に対する成果は,これまで知らていた成果をより精密にしたものである. したがって, 非線形偏微分方程式の数値解析への応用など, 関連する応用研究に対しても, これまで知られていた研究結果を改善することができると期待できる. 総じて, 今年度得られた成果は, 偏微分方程式に対する数値解析分野において重要な立ち位置にあると言え, 非常に良い成果が得られたと言える. しかしながら, 論文についてはまだ掲載されていないため, 現在までの進捗状況は「おおむね順調」としている.
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今後の研究の推進方策 |
Stokes方程式に関して, 前述の通り, 対応する非線形方程式であるNavier--Stokes方程式に対する数値解析へ応用できるかどうかを検討する. 具体的には, 数値解の存在・非存在の証明や, 誤差評価の証明, あるいは, 数値解を通じてNavier--Stokes方程式の解の性質を調べる, といった方向性が考えられる. 不連続Galerkin法については, 非線形偏微分方程式に対する数値解の存在証明や誤差評価などへ応用できるかどうかを検討する. これら2つの成果は独立したものではないため, 例えば, 不連続Galerkin法による時間離散化手法を, Navier--Stokes方程式へ適用し, 得られる数値解の持つ性質を, 2つの成果を組み合わせて明らかにする, といった方向性の研究も重要であり, 検討する. また, 今年度の成果も含め, 得られた成果を論文化し, 国際会議等に積極的に参加して成果を発表し, 発信するように務める.
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