研究課題/領域番号 |
19K14604
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荻原 哲平 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (40746426)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 数理統計学 / 計量ファイナンス / 漸近理論 / 拡散過程 / 局所漸近混合正規性 / 積分観測モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では拡散過程の二つの統計モデル:「多次元拡散過程の積分値観測モデル」と「多次元拡散過程の非同期・ノイズ付観測モデル」に対して、統計的推定の最適性を議論する上で重要な性質である「局所漸近混合正規性」を証明し、最適な推定方法について研究する。前者は分子運動の方程式であるLangevin方程式へ適用されて分子運動データから分子特性を解析する上で重要なモデルであり、後者は株価の高頻度データのモデルとなっており応用上重要となる。
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研究成果の概要 |
拡散過程と呼ばれる連続的に変化するランダムな時系列モデルに対して、拡散過程自体ではなくその積分値を観測する時に、パラメータを推定する統計手法を研究した。パラメータ推定手法のうち、データ数が十分多い時に推定誤差の分散の最小値を理論的に求め、実際にその最小値を達成する推定量(つまり最も推定誤差が少ない推定量)を構築した。また、従来は困難であった、拡散過程が全方向にランダムに動くのではなく、特定の方向にだけ動くようなケースに対しても最も推定誤差が少ない推定量の理論を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
拡散過程の積分値を観測するモデルは、分子運動の方程式であるLangevin方程式へ適用されて分子運動データから分子特性を解析する上で重要なモデルである。また、金融市場における株価変動の大きさを分析する際にも用いられる。このようなモデルに対して、データが与えられた時により効率的に推定する手法を提案し、その理論的な性質の保証を与えたため、データ解析手法の発展に寄与するものであると考える。
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