研究開始時の研究の概要 |
事前・事後選択された量子系は弱値と呼ばれる特徴量を持ち, 弱測定という手法によって測定できる. 弱値は「古典物理量」や「量子系において期待値として得られる物理量」とも異なる, 事前・事後選 択系が備える全く別の種類の物理量であると言えるが, 古典論・量子論における物理量とは異なり, 弱値が表す物理量のダイナミクスの定式化は行われていない. 本研究では, 揺らぎと時間発展の観点から弱値の性質を明らかにすることで, 事前・事後選択された量子系について, 状態ベクトルや演算子を用いずに, 弱値のみでそのダイナミクスを記述する描像を構築する.
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