研究課題/領域番号 |
19K14624
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玉谷 知裕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (20633697)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 半導体 / 高次高調波発生 / フロッケ理論 / GaAs / せん断応力 / ベリー位相 / 電気分極 / 非線形光学 / 高次高調波 / グラフェン / 光物性 / ポンプ・プローブ分光法 / フロッケサブバンド / 動的局在 / トンネル効果の凍結 / プラトー形成機構 / 固体 |
研究開始時の研究の概要 |
高輝度・高効率次世代レーザー開発への有用性から固体を用いた高次高調波発生が注目を集めている。原子気体を用いた高次高調波の発生機構は一つの原子に注目した模型によって理解されるが、固体では原子が規則正しく整列している多体問題となるため本模型の考え方を適用することはできない。さらに固体では、高次高調波発生にとって中心的な概念となる電気分極が明確に定義できないため、多種多様な物質で本現象を統一的な視点から理解することは困難である。そこで本申請ではこれらの現象をフロッケ理論を用いた観点から考察すると共に、分極と等価な概念となるベリー位相を用いた統一的な理解を追求する。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまでに研究代表者が独自に培ってきた高強度光照射下の半導体における非線形光学応答理論を発展させることで、従来の理論では解明されていない高強度光物理現象の統一的理解を作り出すことに成功した。この理解はフロッケ・サブバンド描像を基礎としており、従来の3ステップ模型では理解することが困難な、固体における高次高調波発生の励起光強度に対する非単調な振動構造の存在を予言する。GaAsを用いた高次高調波の実験を行った結果、確かにこの振動構造が確認できた。本研究で得られた成果は、高強度光物理現象を理解するための基礎を与えると共に、固体を用いた光デバイス開発の指針を示すものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体における高次高調波の発生機構はこれまで主に3ステップ模型に基づいて理解されてきた。しかしながらこの理解では高次高調波と他の高強度光物理現象との関係性が不明瞭なままである。以上を踏まえ、本研究では他の高強度光物理現象と矛盾のない高次高調波の発生機構と物理的描像を提示した。本研究で得られた描像は非摂動論的な領域における非線形光学現象の基礎的かつ統一的理解を与えると共に、新たな光源開発の指針を示すものとなる。
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